
私はノーブルという言葉が好きです。
まあ、無いものねだりと言えば
その通りで
ぶうにゃんのように
スッとピアノの前に座り
自然にタキシードを着こなす人を
ただただ溜息と共に
見つめる。
母君が幼いぶうにゃんの手をひいて
御屋敷を出てからの生活は
もしかしたら
高潔や高貴とは
言えなかったかもしれないけど
氏素性というのか
お育ちというのか
ぶうにゃんには、どことなく
周りに流されない強さと
本物を知っている落ち着きがある。
このジャケットも
そんな雰囲気が漂う。
そんなぶうにゃん。
ショパンコンクールの時は
ゆったりと長いコンパスで
背の高い人特有の
長い手足を持て余すような歩き方なのに
いつからか
舞台袖からピアノの脇まで
物凄いスピードで行き着く。
演奏が終わると又
私の大好きなお辞儀もそこそこに
スッスッスと歩き去る。
その姿も又魅力的ではありますが
私はやっぱり
19歳の時の
会場の雰囲気を飲み込むような
歩き方が好き。
物事に動じない
ノーブルなぶうにゃん。
今はどんなスピードで
歩いていらっしゃいますか?
周りの風景を
楽しんでいますか?
貴方に向けられている
期待の大きさを
感じていますか?
高貴な姿で
又、
ティンカーベルの魔法のように
時を超えてください。