
1987年7月7日
ミュンヘン リサイタル
聴き応えたっぷり89分。
黒いタキシードに
白い蝶ネクタイ。
色白だから
白い蝶ネクタイも似合う。
このLDは
手元を映すことが多く
ぶうにゃんの
綺麗な指と
人間業と思えない動きを
たっぷり堪能できる。
鍵盤の上を
優雅に行き交う手指。
その指先は
爪を綺麗に切り揃え
心做しかピカピカと光って見える。
ピアニストは爪には
細心の注意を払うと言う。
多分ミリ単位で
ヤスリでのお手入れではないかと
ぼんやり想像する。
ぶうにゃんの爪も
手入れが行き届いていることだろう。
その綺麗な爪を保護する
オーバーコートについては
個人差があるようだ。
ただ、
この時のぶうにゃんの爪は ピカピカだ。
そして…
このジャケットのぶうにゃんは
カールおじさんのように見える。
テーブルマジックをする
マジシャンのように
美しく舞う手ばかり見てたから
気が付かなかった。
顎のお髭を
確認しなければ。
時々
私は
ぶうにゃんの
美しい容貌が好きなのか
心を打ち続けるピアノが好きなのか
解らなくなるけど
ぶうにゃんのことが好きなわけで
ピアノが先か
綺麗なお姿が先かなんて
どっちでもいいな
と、思う。
しかしこのカールおじさんは
由々しき問題なのである。
然らば
探求の旅に
出ることにしましょう。
このLDで一人リサイタルを開催して
新しい発見があった。
誰がなんてったって
ぶうにゃんと言えば
英雄ポロネーズだと
凝り固まっている割に
弛めの脳みそに
新しい風が吹いた。
幻想ポロネーズだ。
あんまり美しい曲で
思わず目を閉じた。
本当に素敵だった。
でも
あの感動の上書きはしたくないから
他の人の幻想ポロネーズは
努めて聞かない。
これを贔屓の引き倒しと言わず
なんとしょう?だ。
ファンなんて
移り気で勝手なものだけど
36年の時を越えて尚
大好きだと思える
私の片思いは幸せだ。