私の携帯電話を開くと
ぶうにゃんの手が
迎えてくれます。

流れるように
踊るように
魔法をかけたように
鍵盤の上を自在に動く
ぶうにゃんの手です。


譜面の音符に命を吹き込む
ぶうにゃんの手です。


演奏の途中
手を交差して
1音を奏でる姿は
まるで
歌舞伎の千両役者のようです。

ご当人は
何事も無かったかのように
微かな微笑みを湛えています。


この手は
ピアノの魅力の総てを
音にしてくれる
魔法使いの手です。


私の魔法使いさん
貴方のピアノだけでなく
沢山の観客にも
優しく美しい
魔法をかけてください。