先のブログでも紹介したが染五郎さん熱望の舞台。
立役,女形、悪役、小悪党 花魁、・・
さまざまな役を一人で勤める
この芝居をやりたいとの思いから女形にも挑戦してきたという。
そういえば高麗屋は立役専門
この舞台にかける染五郎さんの意気込みがうかがえる
「慙紅葉汗顔見勢」・・紅葉のように顔を赤くし、汗を流して演じます
三代猿之助四十八撰の内伊達の十役・・は
三代猿之助、現在の二代目猿翁に言及せねばなるまい。
1815年に初演され、早替わり、仕掛けの面白さで大人気。
しかしその後再演もされず台本等散逸。
そんな幻の芝居を昭和54年、164年ぶりに三代猿之助の
試行錯誤の努力によって復活上演された。
猿之助は幼い時に祖父、父を亡くし、後ろ盾もない孤高の
歌舞伎役者として辛酸。
そしてスーパー歌舞伎をはじめ宙乗り、大仕掛けの舞台を次々と
演じたがケレンいっぱいの舞台に当時は多くの批判を浴びた。
しかし現在はそれぞれの役者がそれぞれの宙乗りを演じている。
本来歌舞伎とは「かぶく」からきているというのが持論
よんにゃむの「歌舞伎事始め」は三代目のスーパー歌舞伎。
「ヤマトタケル」から。その斬新さと面白さにとりつかれた。
その後「義経千本桜」の狐忠信,そして舞踊劇」「黒塚」に魅せられた。
そんな懐かしい思い出を胸に今回の染五郎さんの奮闘舞台に
見入った。
細かいことはさておき早替わり40回余、驚きの連続
*序幕第二場「大磯廓三浦屋の場」
傾城高尾太夫の花道からの登場は圧巻
太夫の妹、腰元累の美しさとともに女形の染五郎さんよかったです。
*二幕目「滑川宝蔵寺土橋提の場」
前の場で殺された高尾太夫が妹の累に乗り移った途端累の顔が醜くなる。
そして 与右衛門によって殺される・・四谷怪談?
*仁木弾正の旧鼠の術の場も楽しかった。
三幕目は伊達騒動の中でも有名な「先代萩」
染五郎さんの政岡、これも女形の真骨頂的な役。熱演です。
幕切れ・・仁木弾正の宙乗り・・クライマックス
この宙乗り、「狐忠信」とか「ヤマトタケル」のものとは一味違う。
長袴を引きながらゆっくりと宙天に登っていく様は不気味
仁木弾正の宙乗り
狐忠信の宙乗り
一昨年海老蔵さんもこの十役に挑戦されたようだが
女形も大きな比重を占めるこの舞台ですと染五郎さんの
方に分があるかもしれない。
悪役の凄味は海老蔵さんかな?
染五郎さん悪役楽しんでやっている様子。
4時間余のお芝居、30分間の2回の幕間、
計5時間の明治座での夕べ、飽きませんでしたね~。
楽しめました。
染五郎さん曰く「古典は古典として守っていくがその古典から
学び新しい歌舞伎を作って行きたい。今回の公演はその手始め」とか。
期待しています



