江山水陸の風光数を尽くして、今象潟に
方寸を責む。
芭蕉は今までも風光明媚な地に赴きその時々に
えらく感動しているがここ「象潟」はずば抜けて
素晴らしいと言っている。
「川、山、海、陸」のあらん限りの風光明媚さに
胸を締め付けられるほど感動したといってます。
この有名な句に芭蕉の感動の思いがはじけている。
雨にぬれる「ねむの花」が「西施」に重なったほど。
西施・・中国春秋時代の美女。
その美しさは楊貴妃に並ぶとも。
しかし芭蕉が見た「象潟」と現在の「象潟」は
随分と違っている。
屏風に残る「象潟」
「九十九島」の名を持っていた。
現在の「象潟」は大地震により地盤隆起し
こんなありさまに↓
松があるところが島だったのだ。
海だったところは今は田んぼ。
会員170余名がボランティアで
松を植え育てている。
月日が作る自然の営みの変遷に芭蕉とは
また違った感動をもたらす。
芭蕉は雨の中象潟に着く。
翌朝は晴天。
「朝日はなやかにさし出づるほどに、象潟に
船を浮かぶ・・
俤松島に通ひてまた異なり。
松島は笑ふがごとく、象潟は憾むがごとし」




