うちの家族のなかで、母がいちばんメンタルが強いです。

母は家庭の事情で高卒で就職して一家の大黒柱になり

結婚と出産を経てからも仕事を続け、管理職になりました。

私は5才くらいまで年3のペースで入院する子供だったので、

・私の病院通い
・兄の育児
・おじいちゃん(母の父)の介護

と並行してフルタイムを続けていました。


こう書くとものすごいパワーにあふれた人のように見えますが、実際は
・優しい
・基本インドア
・基本人見知り(プライベートでは)

という具合で、肝っ玉母さんとは反対にいるような人です。


小さい頃、母が愚痴を言ったり、不機嫌が続いたり、八つ当たりしてきた記憶はほぼありません。




長年母のメンタルが強いのは、母が若い頃から苦労したからだと思っていたのですが、

よくよく考えてみたら高校生で一家の大黒柱になって家族を養わなきゃいけない時点で普通の女の子だったら潰れてしまうよな、と思い始めました。


じゃあなんで母はメンタルが強いのか?

最近母をみていると「考えの持って行き方」が上手なんじゃないかと思ったんです。


 

母の考え方

①考えても仕方のないことは考えない


たとえばわたしの病院通いが続いてたときの話。

母は「治療を受ける娘を見て自分が代わってあげられるなら代わってあげたいと何度も思った
と言っていました。

でも「健康な体に産んであげられなくて申し訳ない」といったことは言いませんでした。


治療を受けてる我が子に胸が痛むことはあっても、さらにそこから「自分を責めて負のループに入る」考え方にまではいかないんですね。


病気がちの子供の看病と、もう一人の育児と、介護があったら疲弊してもおかしくないんですが、

自分が入院してたとき、面会にきてくれた母はいつも満面の笑顔でした。
母がいつも明るく自分に接してこれたのは自分を追い詰めすぎない考え方をしていたからなんだろうなと思います。



 

母の考え方

②子供の成長は長い目で見る

私の友人から子供のトイレトレーニングが大変だという話を聞いて、なんとなく母に「私たちのトイレトレーニングって苦労した?」と聞いてみたことがありました。


母「お兄ちゃんは遅かったかな。でも気にしてなかった。小学生になってもおむつ履いてる子ってそんなにいないじゃない?
だから心配するのはその時でいいやって思ってた。」
(※今の基準とは違うのかもしれませんが)

言われてみればたしかに…とぐうの音も出ず。笑


また
私は小学校の入学時に入院していて、半年遅れで小学校に通い始めました。
学校の勉強の遅れとか心配じゃなかった?」と聞いたところ、

母「全然心配してなかった。だって小学校の1年か2年勉強が遅れたって、中学生や高校生になる頃にはそこまで影響ないじゃない?

と。
たしかになんの影響もなかった…😂


ふたつの話に共通することは、
・周りの子と比べないこと
・自分の子の数年後を想像して「その年齢になったらどうにかなってるな」と考えること


どうしても「今」「周りと比べて」出来ているかどうかを考えがちですが、「将来」「その子自身」が出来ているかを考えてみると、たいていのことはそんなに悩まなくてもいいのかもしれません。



 

母の考え方

③やるべきことはやって頼るときは頼る


自分が就職してから、世の中のお母さんってどうやって育児と仕事両立してんの?って思うことが多々あります。(気力体力ともにすごいとしか言いようがない)



子育てと仕事の両立って大変じゃなかった?当時は時短もないし突然早退するしどうしてたの?

って母に聞いてみたんですね。


そしたら


「大変だったよ~。育休取るときも子供の体調不良で早退するときも、"自分のやるべきことはやる"ってことだけは心に決めてた。まかされた仕事は責任持ってやる。早退するなら、出来なかったところを曖昧にしないで伝えるようにしてた」


と言っていました。


ここからわかったのは、自分のすべきことをきちんとやりきると、他の人への後ろめたさが消えるのではないか?ということです。




また家庭内の家事も役割分担するのが上手でした。(父も家事する人でした)


私が小1の頃からやってた家事としては


・布巾で食卓テーブルを拭いて食器の準備

・食器洗い食器拭き(朝は自分の分だけ、夜は家族全員でやる)

・シャッターの開け閉め、新聞取り、家のゴミ箱の中身回収&ゴミ捨て

・水着洗い、脱水して干す

・上履き洗い


など。


料理や掃除洗濯など大きな家事は親が、

名もなき家事は子供が分担をまかされていました。


家事を思いきって子供にまかせてみることも、母の心の余裕を保つ秘訣?だったのかもしれません。




 

母の考え方

④ストレスは他人にも自分にもベクトルを向けすぎない

自分が大人になってからはたまに母から愚痴を聞くようになり、そこで気づいたこと。


○○さんが急にうちの部署に無理な仕事を押し付けてきてね」とは言うけど
だから○○さんって嫌い」とは言わない。

(=不満を言うのはあくまでされた内容にだけ、人格は否定しない)


○○さんのせいで私が大変」とも言わない。
(=必要以上に他人のせいにしない)


私が大変なのは私になにか問題があるんじゃないか」とも言わない。
(=必要以上に自分のせいにしない)


こうに違いない」「きっとこうだ」と勝手に相手の心のなかを想像して決めつけない。



全体的に、相手にも自分にも責任をなすりつけないんですよね。

だから聞いてる家族にも負担がなく、「あ~それは大変だったね~」と相づちを打って終われる感じなんです。


 

母から学ぶ考え方

まとめ

まとめると、


①考えても仕方のないことは考えない

考えて何かいい方向に変わることなのか?
変わらないなら考えない


②長い目で見る

短期的な結果に一喜一憂しない
数年、数十年単位で考える
他人と比較しても意味がないことは考えない


③やるべきことをやって頼るときは頼る

仕事をやりきるという責任を持つ
子供にも家事分担する


④ストレスを他人のせいにも自分のせいにもしすぎない

起きたことだけを愚痴る
他人も自分も人格否定しない
そこそこで考えるのをやめる



以上が、母の考え方(と私が勝手に思っている)でした。


メンタルが強いというか、考え方の持って行き方がうまい結果、最終的にメンタルが受けるダメージが少ないんだと思います。

負の感情を増幅させる前に、これ以上考えて状況がよくならないのなら考えることをきっぱりやめる。

辛くなったり悩んだとき、この考え方は何かに使えるかもと思って書いてみました。

おわり。