「ちょっと出かけて来る」
そう言って玄関へ向かう父(60代)を見送ろうと追いかけると・・・なんか違う。いつもと何かが違う。あ、帽子だ。見慣れない帽子を被ってる。
「その帽子、買ったと?」
「うん。Mila Schon(ミラ・ショーン)ぞ。良かろう?」
自慢気な父。確かによく似合っている。
頭が薄くなり出した頃から、父にとって帽子は必須アイテムと化した。基本、似たような帽子ばかりだが、父には父のこだわりがあるようだ。
ミラショーンと言えば、イタリアの高級老舗ブランド。さぞかしお値段も高かったろうと思いきや、卸問屋風のお店で安く購入できたらしい。
2万円前後かな?と思ったハットタイプのその帽子は、7千いくらかで購入できたらしい。実に買い物上手だ。父はご機嫌で意気揚々と出掛けて行った。
娘は言えなかった。
ミラショーンのお洒落なハットに、そのナイキのジャンパーは似合わないことを。
1つ1つは良かったのになぁ~。トータルコーディネートは、まだまだのようでした。
(^-^;;