高校生の頃に読んだ板東英二氏のとある本で、いわゆる「理論派」と言われているコーチのことが触れられていました。
そのことが書かれた節の最後に、板東さんは、こんなことをおっしゃっていました(正確ではないですが、こんな感じです)。

 

 打撃コーチとしては一流の中西太さんや山内一弘さんは、そんなことは一切言わない。

 「ええか、ボールが来たら、ビシッと行け!」

 「バシッと打ち返せ!」

 そんなことしかおっしゃらない。でも、コーチとしては超一流で、選手時代の彼らに劣らぬ強打者を育ててもいる。

 そんなわかったような数字なんか言わなくても、指導はできる。プロの指導とはいえども、わかったような理屈なんかいらないのだ。

 

 

 さてさて、こうして私、小説などなど書いておりますけれども、文章指南本とか何とか、さして読んだわけでもないし、申し訳ないけど、それほど小説も読んでおりません。ラノベとか何とかいわれる筋の本など、読んだ試しもないし、読むつもりもないし、ましてや書く気なんて微塵もありません。

 まあ、養護施設がらみで「取材対象」的に読んだものはいくらかありますし、その他かれこれあって読んだ小説は、いくらかある。

 例えば、森博嗣さんという方の小説家としてのエッセイ本は、実際に買って読んで、何度も自分自身の仕事の「検証」をするために読み返していますけど、じゃあ、森さんの小説自体は読んだことはないですし、読もうとも思っておりません。

 その代わり、これまでプロ野球本や鉄道本、それに、ノンフィクション系や評論系の本なら、数多く読んでいますよ。

 

 さて、そんな私ですけど、読むほうはともかくとして、書くほうはどうなのかと言いますと、まずは、プロットがどうとか何とか、そんな眠たいことを言わずに、どんな人間を出すかを簡単に決めて、とにかく、ひたすら、書きに書きまくりました。

 それを2年ほど小説絡みで続けたら、それなりに書けるようになって、本として出せるようにもなったという次第です。

 で、今はちょうど、2作目にかかっているところですわ。

 

 結局、どう書けばいいとか登場人物のキャラとか、そういうものを理論的にどう構成して、何てこと、やっていません。

 

 とにもかくにも、

 書く以上は、ビシッと書く!

 どんどん書いて、バシッとまとめる!

 まとまったら、その次もビシッと書く!

 声がかかったら、バシッと本にまとめる!

 その繰返しですな。

 

 要は、数をこなしていかない限り、質だけをこそこそと高めて・・・、などということが起きようはずもない。とにかく、人の小理屈を読むヒマがあれば、一文でも、一文字でも、多く、ビシッと、書く!

 

 小説を書く以上は、ビシッと書け!

 書いたら、よく読みなおして、バシッと直してまとめろ!

 バシッと直したら、ビシッと人前に出せ!

 

 こんな感じですかね、私の「職業観」は・・・(苦笑)。

一流の条件