小林陣営は当選回数少なく、小泉氏の推薦人は無派閥14人・上川陣営は女性7人…派閥消え様変わり
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12日に告示された自民党総裁選で、立候補した9人の陣営が提出した推薦人名簿からは、各陣営のカラーやアピールポイント、よりどころが浮かび上がった。党派閥の「政治とカネ」の問題を受けた派閥の解消を踏まえた候補や、逆に出身派閥のメンバーで固めた陣営もあった。 【表】菅前首相による「ポスト岸田」人物評…自民党内に波紋
高市経済安全保障相(63)の推薦人には、鈴木淳司・前総務相ら旧安倍派に所属した14人が名前を連ねた。党内きっての保守派で、2021年の前回総裁選で高市氏を支持し、安倍氏と近かった古屋圭司・党憲法改正実現本部長も推薦人となり、「安倍カラー」をにじませた。旧安倍派は、派閥の政治資金規正法違反事件で、政治資金収支報告書に不記載があった議員が多く、改革姿勢が試されそうだ。
小林鷹之・前経済安保相(49)の推薦人は1人を除いて衆院当選5回以下、参院当選2回以下で、刷新感のある布陣となった。8月19日の記者会見には、同法違反事件で党から処分された議員も多く同席していたが、推薦人には1人も加わらなかった。武部新、田野瀬太道両衆院議員ら世襲議員の多さも目立った。
旧岸田派でナンバー2を務めた林官房長官(63)の推薦人は、同派のメンバーが15人。林氏は参院議員を26年務めた経験を踏まえ、半数の10人を参院議員で固めた。女性の推薦人はゼロだった。
脱派閥カラーを前面に出したのは小泉進次郎・元環境相(43)で、20人中14人が無派閥だった。ただ、無派閥議員とはいえ、星野剛士衆院議員や三原じゅん子参院議員ら菅前首相に近い議員が多く、菅氏の影響力の強さをうかがわせた。
上川外相(71)の推薦人は女性が7人と9陣営で最多となった。盛山正仁文部科学相や松本剛明総務相、小泉龍司法相の現職閣僚3人のほか、麻生派から9人が集まった。
加藤勝信・元官房長官(68)は、自身が得意とする厚生労働政策にたけた「厚労族」の議員や、山下貴司元法相や阿部俊子・文部科学副大臣ら、加藤氏が地盤とする岡山県の関係議員が中心となった。