灼熱の氷惑星+氷惑星の謎・を・・
1976年初版本で買ったが理解できず。
これだけ惑星があるのに、なぜ水は地球にだけ多いのか?…それは天文学的な確率でしか起きない「大いなる偶然」かもしれない
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海があり、陸地があり、植物や動物がひしめきあっている地球――。私たちが当たり前のように享受しているこの星の環境は、実は46億年かけて生み出された「すごすぎる仕組み」だった…!
【写真】「奇跡の惑星」と呼ばれた地球が、46億年かけて完成させた「すごい仕組み」
地球の成り立ちから現在までの変化を壮大なスケールで眺め、物質循環という「非常にシンプルな原理」で解説した地球科学の新しい入門書『地球46億年 物質大循環』から、そのポイントをお伝えしたい。
*本記事は、月村勝宏著『地球46億年 物質大循環 地球は巨大な熱機関である』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
地球が水の惑星となった謎
地球は、地球以外の岩石の惑星(水星、金星、火星)に比べるとたくさんの水があります。
それはいったいなぜなのでしょうか? 少し詳しく見てみましょう。
水星や金星には極微量の水しかありません。
水星の表面温度はマイナス170℃から430℃と広い範囲にあるので、水は固体・液体・気体のどれにもなりえますが、水星にはどの状態の水もほとんど見つかっていません。
いっぽう、金星の表面温度は464℃もあるので、水は気体(あるいは超臨界流体)であり、金星大気の水蒸気圧は0.0002バールと水はごくわずかしかありません。
火星には、水が少しだけあります。
火星の平均表面温度はマイナス56℃なので水は固体または気体となっています(図2‒2)。
火星の地表には若干の氷が見つかっています。
また、火星にはかなりの量の含水物質(粘土鉱物)が発見されています。
しかし、温度が低いので水蒸気圧は0.00002バールと低くなっています。
図2-2 水の状態図とスノーライン
いっぽう、地球には他の地球型惑星に比べるとたくさんの水があります。
地表の71%は海水で覆われており、その平均の水深は3729mにもなります。
この海水が地表にある水の96.5%を占めています。
そして、地下水として1.7%、氷河として1.74%の水があります。
その他に、湖水や河川水や大気中の水蒸気などがあります。 このように地球型惑星のうち地球だけに、なぜ多量の水があるのでしょうか? 地球近傍の宇宙空間では、水は氷ではなく気体となっています。
氷であれば凝集して大きくなるので地球の引力で引きつけることができますが、地球の重力で気体の水を引きつけることはできません。
それにもかかわらず、地球には多量の水があります。
そこで、次に、地球にある多量の水はどのようにして地球に集まったかを見ていきましょう。

