カラスの天下が終わる…都心制圧を目指す大型猛禽類…天敵と手を組む小鳥たち…都会鳥による「仁義なき戦い」がヤバすぎる
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東京都心の空の勢力図に異変が......。
これまでヒエラルキーのトップであったカラスが猛禽類による下剋上にあっている。
いったいそこではどんなドラマが繰り広げられているのか。
前編記事『東京上空の勢力図に異変…
オオタカが明治神宮で、
カラスが東京から消える「ヤバすぎる未来」』より続く。
調子に乗りやがって
東京都心を俯瞰すると、2つの環境が混在していることが分かる。一つは皇居、明治神宮、自然教育園(港区)などの「都市緑地」。
そして、もう一つは東京駅や新宿駅周辺などにある「超高層ビル群」だ。
前者に定着したのが、オオタカである。
具体的な個体数は判明していないが、確実にカラスの勢力に拮抗し始めているという。
山間部や郊外では家畜を守るため、音や光を使って追い払われることもあったが、都内でそんなことは起こらない。
しかも、エサとなる肉質の良い小鳥がいくらでもいる。
さらに、一度巣を作った後に木が伐採されて住処を追われることもない。
明治神宮のご神木が伐採されることなどあり得ないし、自然教育園にいたっては研究のために巣を保護までしてくれるからだ。
勘違いされがちだが、人間によって山野の自然が破壊され、住処を追われてやむなく都会にやってきたのではない。
むしろ、鳥にとっては都会の方が住みやすいから、積極的に進出してきているのである。
「ハヤブサは都会の高層ビルや鉄塔、鉄骨の橋などで繁殖するようになりました。
彼らは元々、海岸の岩壁などで繁殖していました。
東京周辺では、江ノ島や房総半島の崖などで繁殖しています。
高度差のある崖にとまり、眼下を飛ぶ野鳥を急襲して捕食します。
都会のビル群は、ハヤブサにとっては故郷の岸壁に非常に似ており、ビルの屋上から急降下してハトなどを捕えています。
新宿の高層ビル群や六本木ヒルズなどでもハヤブサが観察されています」(前出・唐沢氏) ハヤブサなどの侵略によってカラスの生存圏は確実に狭まっている。
カラスにとってさらに厄介なのがフクロウ。
そのフクロウも豊島岡墓地(文京区)などを中心に繁殖を始めている。
カラスは巣で羽を休める夜に寝込みを襲われるようにもなった。
つまり、日中はオオタカ、ハヤブサと戦い、夜もフクロウを相手に身を守らなければならなくなったのだ。