【スターウォーズの世界が現実に!? 】米がついにAI戦闘機の飛行訓練に成功!「X-62A」がもたらす“新時代の航空戦”とは
航空戦に新時代到来。米国防総省が2月中旬、最先端のAI(人工知能)が操縦する戦闘機の試験飛行に成功したと発表したのだ。これが実用化されれば、パイロットに求められる能力はもちろん、次世代の航空戦が劇的に変化することになる。
スターウォーズの世界が再現!?
ウクライナのゼレンスキー大統領が膠着状態となったロシア戦打開のため、NATOの保有する航空兵力をノドから手が出るほどほしがっているという。
ただ、西側諸国の最新鋭戦闘機、わけてもウクライナ側がもっとも欲している米国製F-16を操縦できるパイロットを養成するためには、東側の戦闘機からの転換でも6~12カ月の訓練が必要となる。
パイロットがいなければ、せっかく供与されたF-16も宝の持ち腐れとなってしまうのだ。 そんなゼレンスキー大統領のジレンマを解決してくれるかもしれないニュースがアメリカから飛び込んできた。
米国防総省のDARPA(米国防高等研究開発局)が2月中旬、最先端のAI(人工知能)が操縦する戦闘機の試験飛行に成功したと発表したのだ。 DPRPAによると、使用されたのは2人乗りのF-16を高度に改造したX-62Aという機体。
機内には「アインシュタイン・ボックス」と呼ばれる人工知能が搭載されており、4つのAIアルゴリズムが離着陸や模擬空中戦などを合計17時間にわたって制御したという。
AIが戦術戦闘機に利用されたのは航空史上初のことだ。
もともと、この「アインシュタイン・ボックス」は2019年に地上のシミュレーター上で、F-16のパイロット(操縦時間2000時間を超える米海軍のトップガン卒業と同等のベテラン)相手の空戦に5-0で圧勝する実績を収めていた。
ベテランパイロットの操縦手順や訓練ルールを順守する習性を予測し、瞬時の意思決定で相手機の「穴」をつき、空戦を制したのだ。
それから3年、さらに進化を遂げたAIはついにバーチャルな空間だけでなく、実戦での複雑な戦闘機の制御までもこなすまでに進歩したというわけだ。
映画「スターウォーズ」で高度な電子頭脳を持つドロイドのR2-D2が反乱同盟軍のXウイングの後部座席から瞬時に最適な操縦や航法ナビの指示を行い、主人公のルーク・スカイウォーカーを助けるシーンがあった。
今回のX-62の試験飛行成功はそのごくごく初歩的な段階を実現したと考えればよいだろう。