台湾有事は必ず来ると信じ対応策が必要。
その時どう対応するかが問題だ。
米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は1月、台湾有事の机上演習(ウオーゲーム)の報告書を発表した。計24ケースをシミュレーションし、大半で中国に不利な結果が出た。
ところが、日本に深く関係する、ある条件を加えると、違ったシナリオが導き出された。
演習を統括した専門家への取材も踏まえ、有事に備えて日本が今、何をせねばならないのかを考えた。
在日米軍基地の使用を認めるか
CSISの机上演習は「2026年に中国人民解放軍が台湾への着上陸侵攻を図る」との想定で行われた。
米軍・国防当局の中堅幹部や元高官、シンクタンクの軍事専門家らが参加した。
米国・台湾・日本チームと中国チームに分かれ、「米国が台湾防衛に加わる」「核兵器は使用しない」との前提で実施。
米軍の参戦時期、台湾軍の即応体制などの前提条件を変え、計24のシナリオを試した。
大半で「中国が敗北」「こう着状態だが中国に不利」との結果が出た。台湾や米国にやや不利な18ケースのうち3例では「こう着状態だが中国に有利」との判定だった。
だが1例だけ、在日米軍基地の使用を日本が認めない設定で行うと、結果は大きく違ったものになった。
米軍は代わりにグアムから軍用機を出撃させ、空中給油機を使って航続距離を伸ばそうとしたが、中国がミサイルでグアムの基地を破壊したため、空軍力が機能しなくなった。
中国海軍は警戒…
しかし何れも机上の空論で戦う前に結論など有り得ない。