米国は中国と2025年に戦争をする――米空軍大将が放った言葉の衝撃
米空軍の大将による米中戦争の可能性発言が内外で波紋を広げている。 空軍航空機動軍司令部のマイク・ミニハン大将(56)は2023年1月末、自身のツイッターで「私の直感では、米国は2025年に中国と戦争をすることになるだろう。直感が間違っていることを願う」とつぶやいた。 このつぶやきは内外のメディアに大きく取り上げられ、ウォールストリート・ジャーナル紙などは社説でも扱ったほどだ。こう記している。 「ミニハン大将の言葉はぶっきらぼうかもしれないが、彼の懸念は広く共有されているし、されるべきである」 「(中略)台湾をめぐる紛争では死傷者の規模が大きくなるし、米軍をぐらつかせることになる」 そして同社説は結語で、「台湾を守るための戦争を阻止するため、米国は(中国の)侵略を撃破する手段と意志を持っていることを中国に示す必要がある」と記した。 ミニハン大将が2025年という具体的な年を述べたのは、2024年に台湾で総統選挙があるばかりか、米国では大統領選挙もあるため、2024年から両国の政治的関心が内向きになり、侵略されやすくなる環境になるとの見立てからだ。 同大将は内部メモでも「習近平主席のチームは2025年の台湾攻撃に向けて準備をしている」と説明したほどだ。 当件で米軍関係者に取材をすると、国防総省(ペンタゴン)ではいま、中国が米軍の軍事力に迫るほどの軍備増強を進めていることから、中国のことを「ペイシング・スレット(深刻化する脅威)」と呼んでいるという。 同大将がいま構想を練っていることがある。
それは空軍が運用している空中給油・輸送機「KC-135ストラトタンカー」から100機のドローンを発射するという計画だ。 実現すれば、多くの小型無人機が偵察だけでなく、中国の防空網を撹乱する目的にも使われ、有人航空機の侵入をより安全なものにできるという。 中国による台湾侵攻はいま、米国側に深刻に受け止められているのである。 ただこれまでも、米政府関係者は様々な局面で中国の台湾侵攻について論じてきている。 たとえば2021年3月には、フィリップ・デービッドソン前インド太平洋軍司令官が連邦議会の公聴会で、「中国は早ければ2027年にも台湾に侵攻するかもしれない」との懸念を表した。 ミニハン大将の読みはそこから2年ほど早まったことになる。 また2022年10月にはアントニー・ブリンケン米国務長官が、北京政府が台湾の奪取を「加速」させようとしていると警告を発した。 「北京政府はもはや現状を受け入れられないようだ。台湾の統一を押し進めるプロセスを加速する決断をしているかにみえる」 さらにこうも述べている。 「彼らは統一を早めるために台湾に圧力をかけ、強制的に、様々な方法で台湾の人たちの生活を困難にするだろう」 「(中略)圧力戦術がうまくいかない場合は目的を達成するために武力を行使する可能性がある」 そしてミニハン大将の対中戦争発言がくるのである。同大将はいったいどういう人物なのか。