「仮想敵国機」との戦闘のために…「インド空軍&航空自衛隊」訓練を中国&ロシアが警戒する訳
1月10日にインド空軍が茨城・百里基地に初来日し、16日から10日間、航空自衛隊との共同訓練が行われている。この訓練開催には、空自のある「狙い」が隠されているという。
【無料漫画】「中年男性に3億円を貢がせた」現役人気キャバ嬢が明かす「頂き女子マニュアル」 「今回の訓練には、インド空軍の主力戦闘機である『スホーイ30』が参加しています。
この機体は、旧ソ連時代からの老舗メーカーが開発したロシアの主力戦闘機でもあるのです」(軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏) 「スホーイ30」は前後に座席がある二人乗り、いわゆるタンデム複座機体で、対地攻撃と対空攻撃の両方の任務が可能なマルチロール(多用途)機だ。爆弾やミサイルといった大型の武器を搭載しながら、マッハ2.3という超高速が出るのが特徴である。 「『スホーイ30』の性能については、日本も把握している。
加えて、実際の訓練によってこの機体の貴重な経験値も得られます。今回の共同訓練を通して、『仮想敵国機』であるロシア製の戦闘機とのバトルの感覚をつかむことができる。それが空自の狙いでしょう」(同前) この訓練に警戒を強めているのはロシアだけではない。中国もまた、訓練内容を注視している。
「インド空軍が初来日した背景には、中国の侵攻に備え、日本との連携を強化しておきたいという思惑がある。
当然、中国としてはインドの動向には警戒しています。
そしてさらに、実は中国もまた『スホーイ30』の派生型戦闘機を主力としているのです。
つまり今回の共同訓練によって、空自はロシアと中国の『仮想敵国機』の性能・機動性を知ることができるというわけです」(軍事ジャーナリストの伊藤明弘氏) 共同訓練には、百里基地のF2戦闘機4機だけでなく、石川県の小松基地から航空戦術教導団、通称「アグレッサー部隊」のF15戦闘機4機も参加している。 「『アグレッサー部隊』のパイロットは空自のなかでも精鋭ぞろい。
全国各地の基地に、巡回指導を行っています。この部隊を投入するということに、空自の本気度が表れている。
インド側に日本の戦闘機の実力を知られるというリスクもありますが、それを補ってあまりあるメリットがあると判断したのでしょう。
実戦さながらの非常に高度な訓練を行っているとみて間違いありません」(同前) 国際情勢は徐々にキナ臭くなってきている。
共同訓練ひとつとっても、さまざまな思惑が渦巻いているのだ。 「FRIDAY」2023年2月3日号より
FRIDAYデジタル.
日印初と成る共同訓練、双方に意義があったようです。