背後霊のお陰か望外だった81歳の大晦日を迎える事が出来た。
祖父は異能な人で、町長を長年務め、地回りまでが慕う存在だった。
おそらく子供の喧嘩か、父が町内相手の喧嘩と成り、町民が押しかけて来た時、租祖父は玄関で大槍を構え孫に歯向かう奴は俺が許さぬ
前へ出て言い分を述べよと、大喝したそうだ。
亡父が手記に書き残している。
祖父は事業家でもあり、須賀神社の大鳥居の寄進者の一人として、
石の鳥居に大きく名前が刻んである。
祖父は受け判で全財産を取られたが、父は財産放棄を選ばず、
父がすべて返済し終え、黄泉の人と成った。
受け判させた相手は、借金が無くなったと知って、元の場所で元の商売を継続し今に至るも父は一言も言わず語らず他界した。
祖父の異能も父の博識にも遠く及ばぬが、子育てだけは父を超えた。
倅の結婚が遅かった為、81歳にして小学生の孫が二人。
6年生の孫は来年中学受験をすると、頑張っている様だ。
コロナ蔓延も有り、今年は息子家族の帰省も無く侘しい大晦日だ。
年越しソバは行きつけのソバ屋で食べるとして、おせち料理は注文した。