【ロンドン=深沢亮爾】ウクライナ軍が、各国から供与された最新鋭の対戦車ミサイルと軍用無人機(ドローン)を駆使し、奇襲攻撃でロシア軍を苦しめている。特に都市部周辺で効果を発揮しており、露軍が首都キーウ(キエフ)など主要都市攻略に難航する一因とも指摘される。
英紙インデペンデント(電子版)は2日、露軍がウクライナ侵攻後に失った軍用車両が、戦車331台を含む2055台に上るとする研究グループの集計を報じた。
ウクライナ政府は3日、戦車だけで644台を破壊したと主張した。
1979~89年のアフガニスタン侵攻で旧ソ連が失った戦車は147台とされる。
要因は、兵力で劣るウクライナ軍の巧みな戦術だ。身を隠す場所が多い都市部周辺で待ち伏せし、露軍戦車部隊の位置を小型の偵察ドローンで把握。米国製「ジャベリン」や英国が供与した「NLAW(エヌロウ)」など対戦車ミサイルを携帯した歩兵が接近して発射する。装甲が薄い戦車の上部を自動で狙う性能があり、大きな戦果を上げている。
都市部から離れて待機する部隊には、トルコ製ドローン「TB2」で攻撃する。低空を静かに飛行でき、最大24時間の滞空性能があるとされ、アゼルバイジャンやエチオピアの紛争でも高い攻撃能力が確認された。
米政策研究機関「戦争研究所」によると、露軍は奇襲対策として対人地雷を使用しているが、効果は薄いようだ。
「キエフの幽霊」って何者? ウクライナ空軍に1日で6機撃墜のエースパイロット誕生か
👆から抜粋👇
21世紀初のエースパイロット その名も「キエフの幽霊」
2018年、エアショーで展示飛行するウクライナ空軍のSu-27P戦闘機。同軍機の多くは旧ソ連製で、同一機種同士の戦いも発生している可能性がある(関 賢太郎撮影)。
一説によると、「キエフの幽霊」は開戦から30時間以内にロシア空軍機6機を撃墜したとされ、その戦果の内訳はSu-25攻撃機2機、MiG-29戦闘機、Su-27戦闘機、そしてロシア空軍において最も強力な最新鋭機Su-35戦闘機2機であるといわれます。
また戦争5日目には、その撃墜数は10機に達したという噂もあります。 戦場において最も優れたパイロットに与えられる称号である「エース」は、明確な規定こそないものの、通常5機の撃墜であると広く認識されています。近年は大規模な全面戦争そのものが発生しなくなったことから空中戦もなく、約40年前の「ベッカー高原上空戦(イスラエル対シリア)」や「イラン・イラク戦争」を最後に、少なくとも筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)が知る限りエースは生まれていませんでした。
現代に、しかもわずか1日でエースとなった「キエフの幽霊」は、まさに常識外れです。当初より、あまりにもよくできたストーリーから「キエフの幽霊は存在しないのではないか」「新作ゲームの話か」といった声も少なくありませんでした。
ところがなんと、ウクライナが公式に「キエフの幽霊」の存在を認め「キエフの幽霊」とされる人物の写真と、MiG-29によってSu-35が撃墜される様子を収めた動画について言及しました。パイロットの本名は明かされておらず、その正体は謎に包まれていますが、日本においても在日ウクライナ大使館がSNSで「1回の出撃で6機撃墜」と紹介しています。