「プーチンが勝てるとは思えない」…これからロシアを直撃する「壮絶な報復」
「プーチンが勝てるとは思えない」
ロシアのプーチン大統領[Photo by gettyimages]
ウクライナの首都、キエフ制圧を目指すロシアの軍事作戦が難航するなか、米国の有力な軍事専門家が「ロシアは勝てない」という見方を明らかにした。
一方、ジョー・バイデン米大統領は3月2日、一般教書演説で注目すべき発言をした。それはいったい、何だったのか。
【写真】「プーチンは勝てない」と予測した、アメリカの軍事専門家の正体 大統領発言を紹介する前に、ここまでの戦況を振り返ろう。ウクライナの隣国、ベラルーシから侵攻したロシア軍はキエフ制圧を目指して、南下した。ところが、各地でウクライナ軍と市民の抵抗に遭って、3月3日現在も制圧に成功していない。 ロシア軍とウクライナ軍の圧倒的な戦力差から、当初は「首都は数日で陥落する」とみられていた。
ところが、ウクライナ軍は、米政府当局者が2月27日に「予想を上回るほど手強い(stiffer than expected)」と評価するほどの抵抗を示し、ロシア軍の進撃は難航した。
すると、米国の軍事専門家が3月2日、戦況見通しを率直にこう語った。 デビッド・ペトレイアス退役陸軍大将(南カリフォルニア大学教授)は、CNNで「これはロシアとウラジーミル・プーチン大統領が最終的に勝てる戦争、とは思えない」と語ったのだ。
CNNはなぜか、この発言を活字で配信していないが、YouTubeで確認できる。これとは別に、同氏は2月28日、CNNの著名アンカー、クリスティアン・アマンプール氏のインタビューに答え、そちらでも「(侵攻は)プーチンにひどい状態になるだろう(going terribly for Putin)」と語っている。
ペトレイアス氏は、ただの軍事専門家ではない。イラク戦争やアフガニスタン戦争で司令官を歴任し、その後は中央情報局(CIA)長官を務めた経歴をもつ。
市街戦を含めた戦争を何年も実際に戦い、情報戦にも通じている、いわば「専門家中の専門家」である。
日本では、実戦経験がなくても軍事専門家を名乗る人がたくさんいるが、それとはレベルがまったく違う。
米テレビで解説している多くの米軍関係者と比べても、ペトレイアス氏は別格である。
アマンプール氏が番組冒頭で紹介したように、市街戦にかけては、世界に彼以上の専門家はいない。ちなみに、学歴でも陸軍士官学校を卒業し、プリンストン大学で修士号と博士号を得た「陸軍のスーパーエリート」だ。 そんなペトレイアス氏は、ロシア軍が勝てない理由について、番組でこう指摘した。 ----------
〈彼ら(ロシア軍)は、おそらく首都を攻略できる。だが、それを維持することはできない。
…ロシア軍は(必要な)兵の数を持っていない。
…ウクライナの人々は、みな彼らを憎んでいる。
成人の大部分は「人間の盾」であれ「どんな武器」であれ、手にして喜んで戦うつもりなのだ。
…彼らにはチャーチルのような大統領もいる。人々の士気は挫けていないし、ウクライナ軍には「自分たちの国」という地の利もある〉 ---------- この発言をCNNのライブ配信で聞いたとき、私は正直、驚くと同時に「やはり、そうか」と思った。
実際に首都陥落作戦が始まっていない段階で「プーチンは勝てない」とテレビで語るのは、よほどの確信がなければ言えない。
ペトレイアス氏のように名声を確立した人物であれば、なおさらだ。 その彼が語ったとなると、これは「ニュース」である。だからこそ、CNNが活字配信しなくても、先に引用したザ・ヒルのような活字メディアが直ちに取り上げたのだろう。
核ミサイルではないが、原子炉を攻撃するとは・・・