我が生涯で、父母を除く6人のボケを体験している。
ボケは知性と関係なく訪れてくる事を、実体験している。
そんな中でアルツハイマーと成って死去した~~生涯を見届けた、
子供も出来なかった叔父叔母夫婦の面倒を見た体験が凄まじい。
ある病院の薬局長を務め上げた叔父が退職後急激に呆け症状が出た。
あるレストランでの事、廊下の奥に姿見の大きな鏡が置いてあった。
その鏡に向かい鏡の中に入ろうとする姿が、印象に深い。
ある日、我が家に来て、知らない女が家に居て出て行かないと言った。
出かけて見ると,叔母さんだった…それまで叔母さんは必至で叔父さんのボケを秘た隠ししていたのだが,妻に向かい何でこんなに成ったのだと、シミジミと泣いたそうだ。
トイレと床の間や壁との区別が付かぬようになって居たようだ。
叔父さんを務めていた病院へ入院させてみたが、暴れたようで、
ベットに縛り付けられていたとの事で即、近くの病院へ転院させた。
しかし当時はアルツハイマー病を軽減させる方法が無く、
自然に任せるしかなかった。
叔父さんの死去を見送り、一人住まいの叔母さんにも同じ症状が出た。
専門医からアルツハイマーですと断言されどこかの介護所への入居を薦められ、何とか叔母さんを納得させ数年はホットした。
しかし症状が悪化し、手近な介護施設へ何とか転居させ得た。
呆け症状が進む前に、遺言書を司法書士事務所で書くように勧めた。
葬式は私が全てを仕切り、滞りなく済ませたが、正式な菩提寺を決めて無く、対応に苦慮した。
そんな経験から、筆者と妻は正式な遺言書を書いている。
そして、ご近所で3人の呆け老人と関わりを持った。
何れも普通の人だったが、呆けた姿は「大きな幼児だ」
どの家族も呆けた姿をヒタ隠しにするが、明日は我が身だ。
当たり前の未来の自分を映す姿だ・・・・・・・恥る事など何もない。