我が家は武士の家系で江戸中期に寄せ墓されているが今は撤去。
市が市街地拡張で山裾の墓所を撤去した時、
父は祖先の沢山ある墓石名を拓本し残してくれた。
祖父は町長時代に頼まれて請け判をした為に、家屋敷を取られ、
町長も辞め失意の内に長男の住む東京へ移り住んだ・・・。
父は,歯科大教授を辞め、帰郷し一介の歯科医院として、
祖父の借財返済に一生を費やした。
子供8人は誰一人跡を継がず、日本中に散らばった。
父の言葉が耳に残る¥¥¥は残せないが借金も残さない。
独立した後は自分の力で生きて行け¥¥¥施しは受けるな。
世間とは概ね卒業した最終学校の学歴で人物を判断する。
有名大学を出ていなければ、一生賭けて老後の蓄えを作れ。
まず手始めに初任給から貯めよ、欲しいものは最小限にし貯蓄せよ。
貯蓄した金を逐次、株へ投資せよ¥¥¥。
「人の行く裏に道あり花の山」
筆者は幸いな事にアルコール過敏症で、酒に溺れる事は避けられた。
「武士の子は腹が減ってもひもじゅない」で育った。
子供時代フラフープさえ買って貰えなかった。
漫画本は厳禁。
野球のグローブも球さえも買って貰えなかった。
仲間外れを耐えた。
自転車は中学に成って中古自転車を購入それまで乗れず我慢した。
働き出して通勤用の軽快自転車や背広は買ったが、
1枚のレコード・1枚のソノシートさえ買った事は無い。
普通に結婚し、子供教育を「孟母三遷」の如く行って、
長男は押しも押されもしない地位へと上がった。
筆者は今月半ばに齢80と成るが、思い残す事は無い。
人に誇れる財産など無いが、借金は0だ。