以前から指摘されていた中国の弱点
米国の対中戦略に関する匿名論文を紹介した先週のコラムは幸い、多くの反響をいただいた(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80395)。そこで、今週も続編を書く。私が注目したのは、中国の強さではなく、弱さについてだ。中国の弱さはどこにあるのか。
【写真】習近平が“自爆”へ…! 中国経済が直面する「ヤバすぎる末路」 「より長い電報」と題された論文の本体は1月28日、米国の超党派シンクタンクである大西洋評議会のサイトに公開された(https://www.atlanticcouncil.org/content-series/atlantic-council-strategy-paper-series/the-longer-telegram/)。同じ日に要約版が政治メディア、ポリティカにも掲載された(https://www.politico.com/news/magazine/2021/01/28/china-foreign-policy-long-telegram-anonymous-463120)。
先週は主にポリティカ版を基に紹介したが、要約でも、かなりの長文である。今週は本体の大西洋評議会版を基に紹介するが、日本語に訳せば、1冊の本になるほどの分量なので、それでもごく一部にすぎない。まずは「中国の本質的な矛盾について」である。
論文は次のように指摘する。 ---------- 〈中国のシステムは、解決できない構造的な亀裂を内部に抱えている。もっとも壮観なのは、レーニン主義の政党が「イデオロギーの構造」である一方で、民間部門は果てしない成長を求める「市場の絶対命題」を抱えている点である〉 ---------- この矛盾は従来から、あちこちで指摘されてきた。
政治がイデオロギーに支配され、人々の自由に制限を加えているので、自由取引によって成立する市場経済はフルに機能しない。それでは、長期的な成長が望めないのだ。 ---------- 〈ところが、中国の国内戦略は1978年以来、党と市場の間で絶え間なく揺れ動いてきた。それは、国家と経済を持続的な均衡に導くために必要な、周期的な「左と右」の間の揺れだった。したがって、米国が「中国のシステムは内側から崩壊する」という前提で戦略を構築するのは危険だ〉 ---------- たとえば、鄧小平時代の中国共産党は「改革と開放」を掲げて、人々に一定の自由を謳歌させた。だが、その頂点で迎えた1989年の天安門事件は、その鄧氏によって弾圧された。加えて、習近平氏はソ連崩壊の教訓を学んでいる。 ----------
〈習近平氏は2012年の演説で、ソ連崩壊の教訓について「彼らは軍を共産党から切り離し、党を武装解除した。自分たちの理想と信念に対する自信も失ってしまった」と語った。「ソ連共産党は我々より相対的に多くの党員を数えていたのに、誰も立ち上がって抵抗しようとはしなかったのだ」〉(本文22ページ) ----------
嘘か誠か定かでないが👇
待てば海路の無手勝流で終って欲しいです。
