日中韓首脳会談で中国を訪問中の文在寅大統領だが、
鬼の居ぬ間にとばかり、韓国検察の動きは急だ。
【ソウル時事】韓国の権力中枢である大統領府をめぐる不正疑惑が浮上し、文在寅政権が揺れている。ソウル東部地検は23日、文氏の側近だった柳在洙・前釜山副市長の収賄事件の監察をもみ消したとして、職権乱用の疑いでチョ・グク前法相の逮捕状を裁判所に請求。地裁は26日にも逮捕を認めるか判断するが、捜査の展開次第では大統領自身に大きな逆風が吹きそうだ。
報道によると、大統領府は2017年、金融監督などを担う金融委員会の幹部を務めていた柳氏が民間企業から賄賂を受け取ったとする不正疑惑の情報を得て監察に着手。だが、柳氏に対する処分が出ないまま調査は中断され、18年3月に柳氏は辞職した。
大統領府には大統領親族や高官を調べ、不正を確認し、必要と判断すれば検察などに捜査を依頼する規定がある。だが、柳氏の疑惑では当時、調査を担当する大統領府民情首席秘書官だったチョ氏が介入し、中断させた疑いが持たれている。
検察は今年11月、収賄容疑で柳氏を逮捕。今月に入り、大統領府を捜索し、2度にわたりチョ氏を任意聴取した。柳氏は盧武鉉政権で大統領府秘書官を務めていた文氏の下で勤務したこともあり、調査中断の背景には文氏に近い人物からの圧力があったとの見方も出ている。
大統領府高官は23日、「請求が正当で合理的かは裁判所が判断する」と述べ、地裁の決定を見守る構えを示した。ただ、調査中断の判断に問題はなかったと強調しており、検察側の動きに神経をとがらせる。
9月に法相に任命されたチョ氏は、家族の不正疑惑が浮上し、就任1カ月余りで辞任に追い込まれた。検察は昨年の蔚山市長選に大統領府が不正介入した問題にチョ氏が関与した疑いもあるとみている。
一連の疑惑でチョ氏への逮捕状請求は初めて。大統領府の「中枢」に関わる捜査だけに、捜査の進展によっては任期後半を迎えた文政権のレームダック(死に体)化を早める可能性もある。
中国で中韓首脳会談が行われ、中国の主張に反論の余地なく、内外共に、信用を失墜した文在寅大統領の未来は暗い。
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首脳会談終了後、無事に帰国出来るのだろうか?