屁の香りと消臭剤とのミックス臭を嗅ぎすぎて辟易しながら寝入った深夜。
どこからとも無く聞こえてくる不気味な響き。
コッコッコッン・・・・不連続に聞こえてきた。
誰かが階段を上がる音にも聞こえるが?壁の中からの音にも聞こえる。
昔なら布団に潜り込み朝まで尿意も我慢する所だろうが、
音の出所、幽霊の正体が見たくて起きだした。
薄暗い階段に人影は無い。
怪しい気配も無いと部屋に戻りかけたその時、
頬を撫でる弱くて冷たい風、背中がゾクリとしたが、其方を向けたその目に異変が見えた。
1mほど離れた吹き抜けの暗い窓辺に目がいった。
窓辺までは吹き抜け空間が有る為,この窓まで手が届かない。
手製のパイプを加工した開閉器で取っ手を開け閉めしている場所である。

その窓を閉め忘れていた物とみえわずかに開いていた。
そこから風が吹き込み何かを揺らせていたのが怪しい音の原因であった。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言う有名な俳句がありますが、我が家では
「幽霊の正体見たりすきま風」でした。
勿論、その後は香りも気にせず朝までグッスリでした。