己が腹中に巣食った「がん」細胞たちよ、何年前から主に断りも無く居候を決め込んでいたのだ。
同じ釜の飯を消化しながら、ぬくぬくと大きくなり、不埒千万なり。
今回助っ人の女医殿にお願いし一網打尽に成敗したが、それを察知して分身の術で姿を消した仲間がいた模様である。
探索役を 「紅顔の美少年」 抗癌薬人にお願いした。
速やかに出頭すればよし、さもなくば見つけ次第切捨て御免の、処置となるから覚悟しておけ。
それにしても最近は、『がん』の事を『新生物』と言い始めているが何の根拠があって言い始めたのか?
考えるに、『がん』特有のあの猛烈な悪臭は、この世の生物にはない臭いだからな~
更に、知能を有しているみたいな、速やかな転移の仕方には舌を巻くばかりだ。
潜伏期間は、忍者の如く、完璧に草となり隠れてしまう。
敵ながら天晴れである。
しかし大馬鹿者でもある。
それが証拠に、大増殖で宿主の体を痛め、挙句の果てに一緒に早死にしなければならないのだ。
『がん』たちは総身に知恵が回りかねる馬鹿者と見た。
怒ったかい・・・怒ったら姿を見せてみろ・・・
おとなしく、我が腹中に住みたいのなら、後30年住まわせても良いが、返答や如何に。
平和共存こそ望むところである。