29日午前5時半ごろ、奈良で発生した妊婦の急患の受け入れを
奈良県立医大病院と大阪市内の9病院が受け入れ拒否をして
妊婦は1時間半もたらい回しされた挙句、救急車内で流死産したと報道されている。
医療ミスに繋がりかねないリスクを背負いたがらない病院の現実が如実に現れた事件である。
産婦人科と小児科は、苦労が大きい割りに見返りが少なく、直ぐに医療ミスだのセクハラだのと言われてきた。
加えて、少子化で産婦人科の患者数が減り、全国的に産科を閉鎖する病院が続出している。
救急患者の妊娠女性を受け入れて流死産となればまたも医療ミスと騒がれかねない、
それなら最初から受け入れ拒否をしたほうが得策と各病院が判断を下した結果がこんな形として現れたのである。
この現象は地方でも同じ事で、若い女性達は、うかうか妊娠も出来ないのだ。
一縷の光明は、厚生労働省は24日、深刻化する産婦人科医不足問題の対応策の一環として、
地域的な事情によって分娩(ぶんべん)数が少なく経営難に陥っている産科病院に対し、
補助金を交付する新制度を導入する方針を決めたと報道された事である。
医療が仁術から算術に置き換えられてから久しいが、
直ぐに医療ミスとして担当医師や病院を訴えるようになったのはごく最近の事である。
リスクの大きい産科や小児科に医師の成り手が少ないとも聞いている。
事は医療関係だけではない。
医師や先生、親や先輩など敬う事を忘れさせ、
糾弾する事をマスコミに扇動された結果が今の現実を招いている。
この先、しっかりと現実を見つめ直さなければ、安心して暮せなくなる。
少子化に歯止めの掛けられる生活環境の再生が待たれます。