漆継ぎまで終了した器がいくつかある
ので早速、金消粉・銀消粉を使って蒔
いてみました。金蒔き、銀蒔きは純金
粉と純銀粉を使って蒔絵筆の一番細
いものを使って漆継ぎをした場所を蒔
絵筆に着けた生漆で細い線をなぞって
いきます。この時の力の入れ方が微妙
でなかなか難しいです。少し油断する
と力が入りすぎて線が太くなったり弱す
ぎて線が細くなったりして安定した線が
描けません。また、あまりゆっくり線を引
きすぎると手が震えたり、勢いのある線
が描けません。この辺りは陶芸の絵付
けと同じで修練が必要です。生漆の線
が引けたら、少し線の表面が乾燥した
ら次は金蒔き銀蒔きです。漆の線に沿
って穂先に着けた粉をそっと載せてい
きます。この時穂先にのせる粉が少な
すぎると綺麗に仕上がりません。少し
多めに乗せるのが初心者向けのコツ
のようです。ただし、銀粉はともかく
金粉は高価でセットについている量も
少ないので折り合いが難しいです。
余分に乗せた粉は無駄が出ないよう
にできるだけ回収します。蒔いた後
は湿気のある室(湿らせたティッシュ
を入れたボール箱)に入れて一晩静
置します。一番簡易的な蒔きの方法
はこれですが欠けなど蒔いた部分の
大きさによっては一週間から一か月
乾燥に時間がかかるときもあります。
金粉と銀粉の使い分けですが特に決
まりもないのでお好みでOKですが銀
粉は陶器の色が白いもの(色の薄い
もの)は銀粉だと目立たないので金粉
の方が存在感が出ます。それと粉を
蒔く仕上げ漆を塗る前にできるだけ
目の細かいサンドペーパーで接着
漆を磨いた方が仕上がりがきれい
になります。ちょっとした欠けやヒビ
なら私のような初心者でも簡単に
治せますが作業中のゴム手袋は
必須です。漆は少量でも指先に着
くとその指で他の場所を触ると肌が
弱い部分だとてきめんにかぶれま
す。これだけは要注意です。
漆蒔きまで終了した器です。次は最終稿手の金蒔き・銀蒔きです
飲み口の一部が欠けたマグカップです。金で補修しました。
上の二つはひびの入ったご飯茶碗です。銀で補修しました。