火曜日に、スルーで廻ったゴルフのあとで食堂に上がってランチしながら、木曜に八ヶ岳の途中にある日本で一番高いところの露天風呂に入りに行くというハナシをすると、ヨコで聞いてたキ~さんが「オレも行きたい」
みんな夏休みにどこかへ出かけて楽しんでるのに、俺達はどこへも行かず仕舞いだもんな。
キ~さんは名古屋の新聞社にいてサイゴは、系列のゴルフ場の支配人を4年やった人でオレより8歳若く来年が古希?
まあ去年富士山に登ったというハナシも聞いてるし、3時間も歩けば着くっていうけど一緒に行く?と聞くと大乗り気で、じゃ朝3時にオレの家まで迎えにきてよ。高速代は持つから運転とガソリン代を頼むよ。
ヨコでやり取りを聞いてたガンチャンは一言も発せずに、クチあんぐり・・・
予定通りに昨日の朝3時、横浜出発!
途中の境川PAで、まだ朝早いしそんなに食えないとお子様カレーにしたら ほんとにスプーンは小さいしジュースまで付いてきた。
メルセデスの助手席にラクチンで座り、バカっパナシをしてるともう高速を降りる長坂で自分でハンドルを握ってないと早いな。
向こうに見えるのは八ヶ岳で、あのどこかに野天風呂があるんだろ。
クルマの温度計は18度!
窓を開けてみてと言われて開けると、涼しい風が麦わら帽子の網目からアタマを吹き抜けて気持ちいい~。
八ヶ岳というところは今まで一度も足を踏み入れたことがないと思ってたが、野辺山の看板がでてきて 野辺山ならコチラに出てきてからすぐの小学校の林間学校で来たな。
あのとき、やみくもに網を振り回して偶然に獲れたクジャク蝶が 蝶好きになるきっかけだった。
3時出立の7時、予定通りに露天風呂の出発地の本沢温泉入口駐車場に到着。
車高の高いクルマは、もっと近くのクルマ止めのゲートまで行けるがメルセデスじゃムリ。
キ~さんは、少しナナメになった駐車場に止めたクルマのタイヤに石を置いて、運転も堅実だったしそんなに慎重な人だったの?ゴルフをしてる限りじゃそうは見えなかったけどな~。
看板をながめ、山はほとんど一人で行く、一人がきままでいいよいうオレと、山には絶対にダレかと行く、もし捻挫したりなにかあったときどうするの?というキ~さんと道連れ・・・
富士山に登ったときと同じスタイルで来たというキ~さんとレッツゴーしたら、
「海パン履いてきたからちょっと歩きにくい」
海パンなんか履いてきたの?
「露天風呂は混浴なんでしょ?もし女性と一緒になったらマズイでしょ」
こんな時間に入ってるヤツなんかいねぇよ。入っててもクマくらいだよ、まして若い女性なんかツキノワグマじゃなくてヒグマが入ってるより確率は低いぞ。
もっともオレもバスタオルを持ってきたからな。露天風呂にバスタオルは似合わねぇ?
クルマ止めまで45分くらいで着いて、予定時間より早いな。
まだ8時前だろ?
なにか途中で食料を調達しようと思ってたことをすっかり忘れ、まあだけど露天風呂のある本沢旅館は11時から食事ができるっていうからいいか~。
初めて足を踏み入れる八ヶ岳の森は苔で名高い。
スギゴケの上にコゲラの羽?が落ちていて絵になるな。
大体、富士見平というところで富士山が見えたタメシがない。
ヤマハハコ
気持ちの良い森を抜け、
途中で一回休んだだけで、もうすぐ着くぞ!
飲めるの?
カップがあるからダイジョウブじゃない?慎重なキ~さんが先に飲んだのでオレも一杯。
冷てェ!
電話で聞いたら食事は11時からって言ってたからね。
ゆっくり露天風呂に浸かろうぜ!
さすが苔の八ヶ岳で、倒れた木にも太陽の光りに苔が輝いてる。
ここにもいるんだ。
少し古めの爪あとだけど、キ~さん、先に行ってよ。
「うしろから襲ってくるってこともありますよ?」
オレなんかいつクマと出会ってもいいように、常にカメラは連写モードにセットしてあるからな。
そして10時前、ここだ、着いたァ!
さっそくチケットを買いにゆくと、1000円。
ネットで600円と読んだけど、いつの記事だったんだ?
「45度と熱めですから注意して入ってください」
と、受け付けのネ~サンに言われ、
薄める手立ては?
「ありません」
そこから10分、山道をまた登ってゆくと、
あの谷のどこかに・・・
向こうの山が硫黄岳か?よくわからんけど。
見えた!
四角い浴槽に白濁した湯が溜まっていて、アレだよ!
「雲上の湯」と呼ばれる野天風呂から、プ~~ンと硫黄の匂いが漂ってきて、クマも女性も入ってないけど、服は、あの脇に脱ぐのか?
とりあえず、そっと入ったが アチチチチ。
深めのお湯で足元は砂利。
5秒ほど肩まで浸かってもうアカン!と飛び出し、外も砂利の上をハダシで歩いてイテテテテ・・・
帽子を股間に・・・キ~さんにミシェル・ポルナレフを気取ってる?って言われても そいつ知らん。
持ってきたバスタオルを拡げてる間にも良い風が吹き渡ってたちまちのうちに身体が乾き、なんのためのバスタオル?
さあキ~さんの番、そのまま飛び込むと死ぬぞ!
なんたって45度だからな。
アチチといいながら深めの湯に入ったけど、肩まで浸かっていたのはオレより短い3秒!
いいジーサンが、お互い撮りっこしてはしゃいでも他にクマもダレも見てねぇからな。
硫黄岳の中腹に沸く温泉、湯の下にも白く硫黄がこびりついて、
温泉宿に戻り、湯の質が違うというこちらの湯にも・・・
長いクネクネとした廊下を下がったところに苔桃の湯。
こっちは、あっちほど熱くねぇだろうなと、
厚い板のフタを自分達で開けて入ったが、それでもこりゃ43度はあるな。
湯船だけで洗い場もなにもない風呂。開け放った窓からは良い風が吹き込できてたが、ここもカラスの行水ナミに出て、また木のフタをヨイコラとキ~さんが閉めて さァメシだ!
廊下の壁にランキング表が貼ってあり、2着の白馬鑓温泉には3年前入ったから これで連勝複式を獲ったな。
あの時は温泉に入りに行くだけで2泊もしたけど・・・
蕎麦を頼んで、食べるのは外?
待つ間にヒラヒラ飛んできた蝶がアザミの花に止まったのを見ると、クジャク蝶だッ!
あのときの小学生以来、何十年ぶりかにお目にかかったよ。
蕎麦は、少なそうに見えたが 食べだすと案外に量があり、さあ帰ろうか。
日本一の高さの野天風呂にも入ったし、クジャク蝶にも逢えた。
満足して下る山道をキ~さんはテンポよく降りて、リュックでけェな。
富士山仕様です。
2時間足らずで降りてきてタイヤ止めの石をどかし、また運転よろしくと走りだしたとたんに シカ!
あわててパシャっと首筋のウシロ姿を撮れば、
そのまま振り向いて笹薮の影からこちらの様子を覗ってたが、まだ小鹿だな。
まあクマじゃなくてよかったのか悪かったのか・・・
快調に走る夏の終わりの青空の下、アレは浅間山じゃねえの?
どっち来ちゃったんだよ。
慎重なキ~さんだが、ナビの言うままに「時間は変わりませんよ」
佐久から小諸、軽井沢を抜け 碓氷峠を越え関越道まわりで オレたちの夏休みも終わったなァ。