夜来の雨が上がり、外にでてパンジーの花びらに付いた雨粒など眺めながら、昨晩イッキ読みした万城目学の「十二月の都大路上下(カケ)ル」を思い返し、まあイッキ読みと言っても60ページ足らずの短編で、直木賞を取った「八月の御所グラウンド」と2編で一冊の本になってるものだが、テイストは「八月の・・・」と同じだな。

 

 

それでも、こちらのほうが「八月の・・・」の野球のシーンの冗長さに比べると 途中が随分スッキリして、というのはオレが歳をとってコラエ性がなくなってきてるからなのか?

 

 

 

「上下」とかいて「カケ」ルというルビは、作者の造語?

 

 

 

ま、いずれにしても、12月の都大路を駆ける全国高校女子駅伝に出場するため京都に来た補欠の一年生「坂東」、みんなには(サカトゥー)と呼ばれてる彼女が、先輩の身体の不調のため急遽アンカーで出るハメになり、

 

 

 

「ワタシ方向音痴だからムリです」と抵抗しても

”鉄のひしこ”の異名のある「菱夕子」陸上顧問の先生は「第4中継所(西大路下立売)からまっすぐ進んで1回だけ右、迷いたくても迷えない」

 

そうは言っても、方向音痴というのはトンデモナイ間違いを犯すものだけどな。

 

 

とにかくお気楽だった彼女が急に緊張して迎えた雪の本番当日、次々と選手のゼッケン番号がよばれてスタートをしていく中で、ほぼ同じタイミングで呼ばれた赤いユニフォームの選手と視線がバチンと合い、走りだしてからも追いつ抜かれつ・・・

 

テレビで全国中継をするだけあって観客の数も多い。隙間なく埋まった沿道の向こうに ひとかたまりになった7,8人の男たちが「誠」の旗を掲げながら走っていて、新鮮組のコスプレ集団?

 

 

 

目標だった20位台・・・29位でフィニッシュし、翌日新幹線の時間まで新京極のアーケード街をお土産を探してウロウロしていると、いつのまにかヨコには一緒に来た友達じゃなくて 昨日肩を並べて走った女子高生が・・・

 

彼女には負けたけど、先導役になってもらったお陰で20位台に滑り込むことができたとお礼を言うと、

「五条通りのカーブの手前で、急に左に寄ってたのは 何か理由があったの?」

方向音痴の思い込みで 先に仕掛けようと・・・

「なんだ、あいつらが見えていたわけじゃないんだ」

 

 

 

あいつらって、コスプレをした新撰組?

見えてたの!友達が撮った動画にも映ってなかったけど、アイツら本物かもよ。

新撰組の屯所やお墓がある壬生は西大路通りに近いし・・・

 

 

 

「来年、また会おうよ」

「はい、必ず」

 

 

高校生の時に駅伝の陸上の長距離の選手が足りないからとサッカー部のオレが狩り出され、バスで中継点まで運ばれて待ってた時の緊張感など思い出されておもしろかったが、新撰組がでてきたり、「八月の御所グラウンド」じゃ沢村栄治が出てきたり これが万城目ワールドというものなのか?

 

 

 

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