節分も近いし、鬼ヶ岳に鬼退治にと思っても 雪がない!
10日間予報でも降りそうにないけどここらで行っておかないといろいろ差し障りがあるし、それに土曜日なら例の「いずみの湯」がやってるだろ。コロナ禍になってから平日は閉めていて、いつも前を恨めしげに眺めながら帰って来てたからな。
日帰り温泉に浸かるのだけを楽しみに、昨夜の満月が白くなって山の端にかかるのを眺めながら 中央道を河口湖方面に折れ、
朝日が照らす富士を左に見ながら、河口湖で出て西湖根場浜の駐車場に8時。
午前中はどうせ富士山は逆光になるだろうと、もう寒い中を早起きはせずにゆっくりとスタート。
魚眠荘音楽ホールの脇を入って行く。
しかし毎回思うけど、魚が眠るって良い名前だな。ここで聴く音楽はどんなんだろう?
サカナ君が再発見したクニマスもずっと音楽を聴いて眠ってたんじゃないか。
民家の脇を曲がると、雪頭ヶ岳が正面に見える。その左奥が鬼ヶ岳だろ。
クマも魚と一緒に眠っていて欲しいと思ったが 途中で、まだ一月は経ってないだろうと思われる落し物を見たからな~。
この倒木の下をリュックをひっかけないようにとアタマを下げて通って、もういいかと上げるとゴンッ!
どういう神経をしてるのか。
それより問題は、先に道がない。どこを見回してもアレ~?
振り返って見ると、くぐってすぐのところを右折じゃないか。
一つのことを考えてると回りが見えなくなるのは昔っからだな。
よ~く思い返すと、前にもここであれ~?となった覚えがある。
昨日は、東アジア反日武装戦線という言葉を久しぶりに聞いたと思いながら山道を登り、あいつもアチコチ偽名で逃亡して死ぬときぐらいは本名に戻って逝きたかったんだろうな。
カラマツ林を抜けて尾根筋に上がろうとすると ゴ~~っと 向こうに高速道路でも走ってるかのようなものすごい音が聞こえてきて、
こちら側は穏やかに晴れているが、あるいは川の激流のような音は風か!
あわててリュックに丸め込んで入れてきたダウンを出して着込んだが、尾根にあがると冷たい風が吹きつけてサブッ!
向こうに富士山。
下に光って見えてるのが西湖。
ブナの原生林を行けば、
お~、また逢えたな。
手袋を脱いで太い幹をポンポン、良い音がしてまだ当分はダイジョウブそう。
こいつにもアイサツ。
いやがってるのをムリヤリ抱きかかえてるようなのや、
岩の上に根をおろしてるのまで様々。
さすがに土曜日で5,6組のグループに道を譲って、というか追い抜かれて、しかも外国人が多い。
富士山が見える山、というのも理由の一つなんだろうか。
オッ、夢のかけら・・・じゃなくて雪のかけら。
そうして10時20分、雪頭ヶ岳 1710m到着。
こちら側から見る富士山のテッペンはとんがっていてカッコいい。
一休みしてから 鬼ヶ岳に向けて出発。
途中の見晴らしの良いところからは、甲府盆地の上にずらっと南アルプスが見えて、
間ノ岳・農鳥岳
八ヶ岳
例のアルミのハシゴが見え、
登った先の、日影残る雪の上をそろそろと行けば、
鬼の角が見えて 鬼ヶ岳 1738m 到着。
去年の一月に、メイの子供と一緒に登った時に持っていった鬼の面が リュックの背中に入れたままになってたのを取り出して遊んでいると反対方向から若い女性が上がってきて、王岳から来た?
ちょうどいいや、ちょっとモデルになってくれる?
すぐに察してポーズを取ってくれ、「お父さんもどうですか?」
オレはいいよと断わったが、
ジーさんじゃなくてお父さんと言われたんじゃ・・・バカだな。
彼女のスマホでも撮ってあげて、同じセットウガタケでも節分の節のほうの節刀ヶ岳まで足を伸ばすという彼女に 気をつけてと別れ、
またアルミの階段をへっぴり腰で降りながら、向こうを眺めると
富士山と、下に小さく西湖。
悪沢岳と赤石。左は聖か?
雪頭ヶ岳まで戻れば、すでに陽は中天に上がり、
望遠で覗けば、荒々しい表情も見える。
ナニが作ってくれた焼きオニギリをほうばって、さあお風呂だ!
下る段になると、サポーターをしててもヒザが痛くて、去年の12月初めの山登り以来2ヶ月ぶりだからな~。そのあいだに誕生日もあって一つ歳を食ったし・・・
白人の若い女性の二人連れのあとに褐色の肌の男性が上がってきて どちらの国の人?
「アタマいい国よ、当ててみて」
インド!
「あなたアタマいいね~」
インドに節分の風習があるか知らないけどほめられたんじゃプレゼントあげると、リュックから鬼の面を出して渡すと ヨコのチャイニーズらしい彼女も喜んで 今度沼津に来たら寄って・・・
「島歌」の音楽と歌声が ずっと下のほうから聞こえて いよいよ近づいてみると今度は若い人たちのグループ。
沖縄からかよと、冷やかしながら顔を見渡すとアチコチの国の人がいて 色とりどりだな。
リーダーらしきのが じゃ「いろとりどり」を歌いましょうか!
そんな歌があるんかい。とにかく写真を一枚!とお願いすれば、みんな良い笑顔で 若いというのはいいな。
苔の代わりにアセビの冬芽を撮って、春になればこのあたり一面に良い香りを振りまくんだろ。
土曜の登山もなかなか捨てたモンでもないな。
普段はめぐり合えないような人たちとも出会える。
ふもとまで下ってきて 振り返って一枚。
湖畔で看板入りの一枚も撮って、
お目当ての「いずみの湯」。
露天風呂に肩まで浸かれば、顔と湯から出してる両足のユビ先に冷たい風が当たって・・・それでも疲れがす~~っと抜けて行く。
その先にある西湖湖畔の小さな蕎麦屋も いつもはヨコメで眺めて通リ過ぎるだけだったけど 今日はやってるだろと立ち寄り、
とろろ信州蕎麦をペロリ。
浪々の身になりいつでも行けると、なるべく混む土日の山登りは避けていたが、土曜日の登山も、案外良いもんだな。