こんな雪になりそうでならない大寒の雨の日曜は、読みかけだったチャンドラーの「プレイバック」を朝からやっつけて、もう目が効かないから2,3章づつ読んで やっと読み終えた。
「ホテルへ連れてってくださる?クラークに話しがあるのよ」
「彼を愛してるのかい」
「あなたを愛してるんだと思ってたわ」
「あれは夜だけのことさ」 と、私は言った。「それ以上のことを考えるのはよそう。台所にまだコーヒーがある」
「もういらないわ。朝のお食事のときまで飲まないわ。あなた、恋をしたことないの?毎日、毎月、毎年、一人の女と一しょにいたいと思ったことないの?」
「出かけよう」
「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなにやさしくなれるの?」と、彼女は信じられないように訊ねた。
「しっかりしてなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」
この聞いたことがある有名なセリフがオワリの方に出てきて、この本だったのか。
訳した清水俊二は ”しっかりしてなかったら”と書いてるが”タフでなかったら”というほうが聞き覚えがあるな。
それにしても読み終えてどこが「プレイバック」なんだと思ったけど、チャンドラーの遺作となったこの作品に清水俊二も同じようなギモンを感じたらしく、あとがきで「チャンドラーにとっては”長いお別れ”が題名の通りの最期の作品で”プレイバック”はただのくりかえしにすぎないのだと考えられないこともないが、こじつけに過ぎるかもしれない」と そこはナゾのままのようだ。
「ヒマなじーさんに丁度いいんじゃない?」
とムスメがスマホを見せてくれたのは
「旅せよ平日!JR 東日本たびキュン♥早割パス」(通称:「キュン♥パス」)
1万円でJR東日本の列車、一日乗り放題。
青森まで、片道2万円往復4万かかるところを1万円ポッキリ。
新青森まで行ってJRのバスに乗り、1時間ちょっとで酸ヶ湯温泉。
そこでスノーシューハイクを楽しみ、混浴風呂に浸かって日帰りで帰ってくるというのもちょっとタフそうで面白いんじゃないか?