昨日、ヨコハマ駅西口に出たついでに マゴ達にクリスマス仕様のクリスピーのドーナッツを買い、

 

 

そのまたついでに買った、将棋の永世名人 谷川浩司の「藤井聡太はどこまで強くなるのか」を、今朝は暖かい窓辺に座ってイッキ読み。

書かれたのは去年の十二月で、まだそのころ藤井は五冠。藤井の強さについて縷々解説しているが、まさか今年一気に 自分の持っていた名人獲得の最年少記録21歳2ヶ月を破られ 八冠全部制覇までするとは谷川も思ってなかったんじゃないか?

 

 

名人位を通算5回獲得して永世名人の称号を持つ谷川の、名人位は碁の本因坊と同じで、他のタイトルとはちっと格がちがうというプライドが言葉のハシハシに見えながら、藤井聡太の圧倒的強さを賞賛している。

 

藤井さんのタイトル戦11連勝は、他を圧する傑出した記録で、この事実だけを見ても時代を築いた大山、中原、羽生の三人をすでに凌駕しているといえる。

一般的に後手番の場合、先手番の時と比べると、序盤でかなり精度の高い手を指し続けなければ作戦負けに陥る可能性が高い。しかし藤井さんは後手番でも常に序盤を五分でキープしたまま中盤戦に進んでいる。

と言いながらも、藤井が八冠を制覇することは今後あるのかと言って、その道は相当険しいと言わざるを得ないと書いてたのがまさか一年後に実現してるとは、谷川もクチアングリだろ。

 

 

しかし勝負の世界の話はおもしろい。

羽生に逆転勝ちが多かった理由の一つとして、タイトル戦などの大きな舞台であえてさまざまな戦術を試していたという。

不利といわれる手でもどれくらい不利なのか実戦で体験し、そのマイナス程度を理解できれば次はもう指さない。その試みについて ”大事な対局で試みなければ意味がない”

ゴルフも練習場でだけじゃなく、実戦でやらないとダメということだな。

 

共に一時代を築いた大山の強さに中原は 「五目並べの三で止めるのではなく、ニで止める」

つまり相手が攻めようと思ってるところを察知してその前に受けると言い、谷川は大山と藤井の勝負を見てみたかったと書く。

 

藤井といえばAI。   

「新手一生」を座右の銘にしていた大山のライバル升田幸三の名にちなみ、将棋連盟が制定した「升田幸三」賞を2019年に受賞した藤井の一手は、渡辺明棋聖に挑戦した棋聖戦第二局58手目の「3一銀」。

当時最強の将棋ソフトだった「水匠2」に四億手読ませた段階では 候補手のベスト5にも入らなかったが、六億手を読ませた途端に最善手として浮かび上がり 世に「AI越え」と呼ばれた妙手。

 

 

電気が切れない限り、将棋の世界ではもう人間はAIに太刀打ちできないのは証明されているが、将棋は人間と人間の勝負。谷川は、結論が出ない序盤においても、自分の力で一手一手考えとりあえず自分なりの結論を出してみる。その時、どれだけ深く真剣に考えたかによって棋士の進化は決まる。藤井の強さの核心はそこにあると・・・

「今までと違う景色を見るために」

 

 

 

 

暖かい年末だな。

鉢からこぼれんばかりに咲くスイート・アリッサム。

ほのかに良い香りがして、これもパンジーを植えようとしたら春先のこぼれ種から芽がでていたのを見つけ、そっと避けておいたもの。オレも一応 考えてはいるんだ。