金杯、桜花賞、天皇賞、オークスと 今年は一度も当たってない競馬、ゲンを担いで玄関の鉢の水遣りは帰ってからにし、ウインズも桜木町から新横浜に変えて・・・
今年で第90回って、オレは一体いつからやってるんかと検索すれば、タニノムーティエが勝った第37回から?
それからもれなくダービーを買い続けて53回目かよ。当たったのは数えるくらいしかないけど、あの頃の勝ち馬の名前をズラズラ~っと眺めてると、ヒカルイマイ・ロングエース・ハイセイコーを破ったタケホープ・コーネルランサー・カブラヤオー・加賀が執念で勝ったクライムカイザー・ラッキールーラ・サクラショウリ・・・懐かしい名前がいっぱい。
そもそもが、競馬に誘ってくれたというか引っ張り込まれたのは、新入社員で入った会社の先輩だったウ~さん。
頬はコケ、目はぎょろり。いかにもギャンブル好きの顔立ちだったが 親が三重の資産家だとかで田園調布のマンションに同郷の奥さんと住んでいた。
四月の初めての給料日にマージャンはできるか?と誘われ、オレも京都じゃ岩倉の**といわれてちったァ腕に自信はあったが、岩倉と言うのは左京区の地名で学生の下宿がたくさんあったところね。
で、学生マージャンと社会人とじゃレートも倍だったし そうとう集中して緊張してやってたと思うけど、ある局面でオレがチートイツのドラの五万単騎でリーチを掛けたのに一発で振り込んできて、これはスゴイ人だな~って感心したのが最初の鮮烈な思い出。その日はビギナーズラックで大勝ちし、ウ~さんは給料袋の封を切って万札を差し出したが 奥さんにダイジョウブなのかとアタマをよぎったな。
それからなんとなく気に入られ、ほどなくして府中の競馬場に行こうと誘われた。
ウ~さんは無類の競馬好き。会社は9時始まりなのに、土曜日はいつも9時から始まる渋谷の場外馬券売り場に寄ってから出社してきて、部長もそれを大目に見ていたんだから良い時代だったが、その日は仕事が終わってから銀座で飲み、なじみらしいホステスを一人連れて三人で田園調布のウ~さんのマンションまでタクシーでご帰還。奥さんは里帰りしていて、どうするのかと思ったら ビールを一杯飲んでホステスさんはいなくなり ご近所さんだったの?
泊まらせてもらった翌朝、武蔵小杉から南武線に乗って競馬場のある府中本町まで。その時、ホームから出口までの階段を上ってる途中で手にしていたキップを落としたらウ~さんに露骨にイヤなカオをされて、やっぱり勝負に行く前に落とすとかゲンの悪いことをするのを 勝負師は極端にいやがるのかと 競馬の結果はなにも覚えてないが そのデキゴトがいやに印象深い。
ウ~さんは穴狙いに徹していて、時々スゴイ大穴馬券をホラッとみせてくれたけど 3年位して親の商売を継ぐと三重に帰って行った。
それからオレもマネしてず~~っと穴狙い。だからジマンじゃないけどめったなことじゃ当たらない。
まあい~んだ、ダービーは参加することに意義があるんだから。