5年連続で、この時期のミツマタの香りを探しにやってきたミツバ岳。

丹沢湖の上が明るくなり

 

滝壺橋のほとりの、登山道をあがってすぐのところに”オニシバリ”

去年発見し、花の形から家に戻って黄色いジンチョウゲと検索したら一発でピタリ!オニシバリの名前がでてきた。樹皮が千切れ難く 鬼も縛れるくらいだという意味らしい。

写真を撮るのに夢中で、花の香りをかぐのを忘れた。まあ帰りでいいかと思ったんだが・・・

 

この看板も5回目。

春の嵐が吹き荒れた翌日で、この山も人気がでてきたのか、数人に道を譲り、

 

オ~、咲いてる咲いてる。

 

 

あいさつを交わし若い人に道を譲ると、さっさと登っていく。

ボールが飛ばなくなるのも、さっそうと登れなくなるのも皆が通る道、まあ順番だからな。

 

去年はゴルフとミツマタを天秤にかけ、雨のゴルフよりはと雨の登山を選んだが、やっぱりこのキイロの花は青空がお似合いだな。

 

 

一枚脱いだが、かいた汗に冷気が気持ちいい。

 

去年よりも杉の伐採が進んでいて、これなんか、最初からイス型をしてどうぞ休んでいってください?

 

杉林を抜けると、ブナ林。もう少しだ。

 

リッパなブナは、周囲3m以上ありそうだ。

 

頂上に近づくと、ウワ~と思わず歓声が出るほどのミツマタ・ミツマタ・ミツマタ。

 

あたりにほんわかと良い香りが漂い、

 

 

まだ1時間ちょいほどしか時間が経ってない。

 

去年はカッパを着て早々と下りさあ温泉、と思ったら 丁度コロナの1ッ回目の緊急事態にひっかかって温泉の入り口に当分休業の貼紙。

きょうは事前に、やってることを電話で確認済みだからな。

 

 

まだちょっと早いし、あの権現山まで足を伸ばすか。1時間くらいのもんだろ。

最初の時に一度行ってて道はわかってる。というか一本道だろ。

 

 

 

 

最初は左手に見えてた富士山が、真後ろに見えるようになり

ヨコの違う道を行くおじさんが「ちょっとわかりにくい道ですね」というのを

頂上のほうを見上げながら”まあ、あっちに行けばいいんですよ”と冗談めかして言ったけど・・・

 

6時過ぎに出発して、ミツバ岳経由で9時。コースタイムの1.5倍かかってる。

 

権現岳のベンチにバナ~ナとタメぇ~ゴとオニギ~リを拡げ 反対側から上がってきた人と談笑。

 

”そちらは道ややこしいんでしょう?”

「1ッ箇所だけ怪しいところがありますが そこさへ間違わなければダイジョブです」

 

 

まあ、最初からそちらを廻る気はなく、クルマを停めてあるミツバ岳のふもとまでのピストンの予定だけどな。

 

こっちにも、こんな看板ができてるやないか。

まあ、言っても登ってきた道だからな~。

 

富士山と、その右にチョコッと白い頭を覗かせてる赤石岳を見て さあ帰ろう。

15分ほど下って、なんか違うな~。

踏み跡が薄すぎる。こりゃ間違えてるな。間違えた時は元の道に戻る。

折角降りて来た道をまた登り返して、コレかと見つけたが、それを辿っても また怪しい道に・・・

なんだよ、もうこんなに降りて来ちゃったぞ。

 

どうすんだよ。とにかくパニックになるのが一番いけない。道迷いは一回経験してるからな。

あの時は、こんなときに写真どころじゃないとカメラをリュックにしまったが、今日は見上げたところのミツマタの群生をパチリ。富士山があの位置に見えるということは、右に来すぎてるな。

 

スマホを取り出し、マズ現在位置を知ろうとGPSナビを起動、カレント・ロケーションを開きSee on Map をタップすると、もうちょっとこっちか・・・

 

しかし完全に道がないところに踏み込んでしまっているので、ズルズルっといった拍子にスマホを落とし、こりゃ見ながらはムリだなとポケットにしまって、こっちだと思う方向に行き、又開けばドンドン違う方向にすすんでるやないか。

 

地図と照らし合わせて左の高い山がミツバ岳か・・・

深い谷の向こうにそびえるミツバ岳、たかだか800mだとバカにしちゃいけない。

この谷を渡って登り返すなんて 道があればまだしも、ぜったいにムリやろ。

え~い、こうなればこのまま沢沿いを下ろう、そうすりゃ どこかに突き当たるだろ。

 

 

その先は降りられるのか?というようなところをズルズル下り、

9時過ぎに下り始めてそろそろ2時間も過ぎようかと言う頃、向かいの谷の上に白いガードレールを発見。

 

 

 

林道だ!

あそこまで行きゃ野営をしないですむ。途中でかなり不安な時間もあったが、まだ10時頃と時間がたっぷりあったし、オニギリも一個余計に持ってたからな。
 

左に見える沢沿いを下ってきて、この先は危ないなと向って右に回りこみ、落ち葉の急坂は絶対ずり落ちる。

 

 

青線のようなルートを思い描いたが、人生なかなか思い通りにいくもんじゃない。

真ん中の木にしがみついて青線方向に行こうと 中腰になり一歩足を踏み出した瞬間、ズルッ!身体は宙を飛び前方一回転ひねり。

 

宙を飛んでる瞬間は、スローモーションのように目の奥に残ってるが、ドシンと落ちた時は

記憶もアイマイ。

アタマと右足にすごい衝撃が走り、目を開けるとクラクラ。

こりゃまずい、安静にしといたほうがいいだろと仰向けのまま目をつぶり、だれか林道の上でこんな姿を見てりゃ助けにきてくれるのにと思っても静かなもん。

 

 

1分くらいジットしてたが、このままじゃあかん。寝たまま、帽子を取ってジンジンするアタマに手を当てたが切れてはない様子、足は?と動かしてみると すっげぇ痛いけど どうやら骨までは いってない感じだが、下にあった砂岩っぽい白い岩が衝撃で削れている。

 

 

しかし人間の身体というのは強いもんなだなと思いながら 寝ててもしょうがない、あちこちが痛い身体を引き起こすと、左手のひらに血がべっとり。

まあ、こんなもんで済めば安いもんやが。

考えたら、アタマには厚めのフェルトっぽい生地の帽子、足にはズボンの下にパッチとその上にヒザ用のサポーター。リュックの中に丸めて入れてあったダウンのジャケットも助けになってるな~。

とりあえず、現場写真を撮ったけど 高低差3mくらいあるんじゃないか?

 

ビッコをひきながら流れの少ない川を渡り、目の前の2,30mはあるかという崖をナナメによじ登って上の林道に着地。今日は日曜だし、工事のクルマは通らないにしても、ここ行きゃ帰れるんだろ?

 

道路ベタに腰を下ろし、登山靴を脱いで中に入った泥をかき出してたら、下のほうから若いけど山に慣れてる風のカップルが上がってきた。

一応、こっちに行けば帰れるのかを確認し、1時間くらいのもんか?と聞くと、腕時計を見ながら 駐車場からここまで1時間45分、ミツバ岳の入り口までは その先き40分はかかりますよ、という返事。

2時間半か・・・まあ無事に帰れると思えば大したことないか・・・

 

カップルの男性のほうが、腰掛けてるオレの泥だらけのズボンと破れ目をみつけて

「転んだんですか?お怪我は?」と親切に聞いてきてくれ、怪我はダイジョウブとチョッピリ見栄を張り、

「どこに行って来たのか」には権現岳の帰り道を間違っちゃって・・・と決して迷ったとはいわずに ダムのほうまで行くというカップルと別れて、さあ帰るぞ。

アタマはガンガンするし、足も痛いけど とにかく歩かなきゃ帰れない。

 

左の広い河原は、帰ってきてから調べたら大又沢という流れらしい。

落ちたのは、その支流のまた支流?

 

 

普通だったら絶対見ることのなかった笹子の滝を横目に、額のところが痛ぇな、血がでてないだろうなと手をやると、でっかいタンコブができてるやないか。

マズイ、冷やさなくちゃとタオルを沢の水に浸して鉢巻。

♪ 波の谷間に 命の花が~   海の男か。

 

下を見るとズボンが泥だらけ。

これで温泉行っても断られるだろと、ハンドタオルでヨゴレを落とし、

 

今度は仲が良さそうな中年夫婦が上がってきて、

「あっちの山では今頃ミツマタがキレイに咲いてますよ」と親切に教えてくれるけど

そっち廻って権現岳登って帰って来たところですと 迷ったり落ちたりしてことには口をつぐんで返事をすれば、「それじゃ相当長い時間歩いてますね」

 

歩きたくて、歩いてるわけじゃないんだけどね~。

 

 

林道の出口を振り返って・・クルマが来ないわけだ。

 

陽だまりにスミレの花。つくずく、無事でよかった・・・あんまり無事じゃないか。

最初のカップルの仰せ通りに2時過ぎにミツバ岳入り口の駐車場帰り着き、

 

一年越しのブナの湯にまわり、

 

打ち身タンコブには効かねぇのかと、ズボンとパッチを脱ぐと 右足のフトモモやヒザ下に血がこびりついてて、これじゃ湯船の中に入れないな。

額のタンコブにもお湯は悪いだろうと、キズの痛みをこらえながらシャワーを浴びて帰ってくれば、そんなオオゴトになってるとは知らないナニは「遅かったのね」。

 

 

一日でこれだけ歩くと、探険家の称号がもらえるのか?

 

 

今日は早帰りして近くの整形外科行き。アタマも足も骨には異常がないけど、このハレじゃ1ヶ月半は山に行けませんよ。

 

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