どこかの庭では もう巣の下見が始まってるというのに、ウチのは2年も3年も音沙汰ナシ。
ツタなんかからまって、隠れ家としては絶好だと思うんだが なにがいけんのんかのう。
先週のゴルフは、ハンディをたくさんあげてるパコーンに、グロスで負けて大やられ。
「来週もとってありますよ」
ワレなに言うてけつかんねん、うちかて忙しいんやでワレぇ~
河内のおっさんか?
タマに勝ったからって調子に乗ってんじゃね~ぞ~。
と言いながらオレ以上に払ったキコリもやる気マンマンで、じゃしょうがねぇ付き合うか・・・
今度は勝つか負けるか、鳥が入るか入らんか 肉が薄いと文句を言ってる占い師はタダじゃ占えないって言うだろうしな。
随分と昔のハナシだが、ゴルフや麻雀で世話になった敬愛する先輩の事務所に立ち寄ったときのこと。
先輩もあっという間に亡くなってしまったけど、もうとっくに廃刊になっている新聞社にいた人で、独立して編集事務所をやっていた。
「こんちわ」とドアを開けると、ハッと顔をあげて机の上に広げたものを隠してる。
近寄ると、新聞をハサミで切った切れ端が散らばっていて、
「何してるの?」
「見ちゃあダメだよ!」
子供のように腕で囲って隠した。
かまわずに覗き込むと
先輩がかって勤めていた新聞の
”今日のあなたの運勢” という欄を月別に切り抜いている。
毎日、載っていたその占いのコーナーは当時、その筋ではちょっと有名な老占い師が書いていて、良く当たると評判であった。
「何するの?そんなもの切って・・・」
「オイッ、黙ってろよ!あの占い師なぁ、死んだんだョ」
「え~、いつ?」
「もう、3週間ぐらいになるよ。だからオレが替わりに占ってるんだ」
「占ってるって・・・古いの切り抜いて入れ替えてるだけじゃないですか!」
「い~んだよ、どうせ、おんなじようなことしか書いてね~んだから。
それにオレだって考えてんだよ。オレの生まれ月にはいいこと書いてるのを、選んでんだから」
前にいた新聞社から頼まれ、一週間分づつ作っていたらしいが
そのうち占い師の息子が跡を引き継いだということだったな。
ま、占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦やんけ
やんけやんけそやんけワレぇ 河内のオッサンの唄~
土曜は早く帰ってきて テニスも見にゃいけんしの~。