クロダイ釣りに続き、またメイの子供を連れて 竜ヶ岳にダイヤモンド富士登山。
去年、真っ暗闇のダレもいない端足(はした)峠から登り、切り株が人が腰掛けてるように見えたり、立ち木が幽霊に見えたりして相当怖い思いをしたので、そういうことは言わずに中学2年のメイの子供を誘い、バドミントン部だというので、オニギリ全部背負ってもらい、先に行ってくれよ。
「なに?今の音!」
風で枝がこすれてんだよ。
「ダレかいるっ!」
ただの看板だよ。オレ以上のビビリやないか。
ダイジョウブだよ、オレがついてるから・・・
入り口にクマ注意の看板があり、「クマ出る?」
出ねえよ、今頃冬眠中だよ。
「冬眠から目が覚めるってことだってあるでしょ」
ねぇよ。
まさか怖かったわけじゃないだろうけど、とっとと行きやがって1時間で端足峠。
去年は1時間半かかった覚えがあるけど、今日はついてゆくのが精一杯。
小学校4年のときに山梨の山に一緒に連れてった、あの時だってさっさと登ってたからな~。
でかくなって、オレの27cmの登山靴がピッタリ。用心のためチェーンスパイクをもうひとつ用意したけど、イランお世話だった。
富士山見えるな。
雲もいい感じだけど、これがあっちゃぁダイヤモンドにならないんだよ。
峠でオニギリ食って、この景色に感激して
”今年はクロダイ釣って山登りして いい正月だろ” と言えばスナオに「ウン」
5時に登り始め、6時を過ぎて明るくなってきた。
竜ヶ岳をぐるっと廻って登ってる。
振り返ると 雨ヶ岳の上にまだ月が残り、
もう一息で山頂。
雪は少なくて、雲が多いな~。
ダイヤモンドの時間は7時40分、まだ1時間もある。遅れちゃイミないと午前3時前に迎えに行ったからな~。
反対側は、南アルプス。
日本海側は大雪だけど、真ん中からコッチはぜんぜん雪が少ない。
着いた。メイの子供に撮ってもらったけど、着膨れじゃなくてデブ。
反対側から登ってきた人もチラホラいて、ここでマスクを着けた。
まだダイヤモンドまで40分もある。
寒いから熊笹の中に分け入って、風よけて一休みしようぜ。
熊笹は雪が多い年は背丈が伸びるんだってよ、と聞きかじったことを言ってカマキリのタマゴと同じだ。
カマキリのタマゴ、見たことない?いまどきだな。
富士山、爆発してんじゃないか?
ところでおまえ、お年玉どうすんだよ、ゲームの課金とかに使うんじゃないだろな。
「アレは小学5、6年まで。中学になるとバカらしいのがわかってやんないよ」
あの雲、太陽が昇るまでには取れないな。
まあ、それでも ここまで見れりゃヨシとしようや。
大体、雪が降って道路に積もってりゃこれなかったし、凍結だってダメ。
そこがクリアできても、曇って富士山が見えなきゃイミないけど とりあえず見えてるもんな。
熊笹のウシロがざわついてきて、結構人が増えてる感じ。
噴火が始まったぞ。
上にワッカが見える。仏様みたいだな。
出た!
カンペキなダイヤモンド富士とは言えないかもしれないけど、
去年の直前になって雲が出たことを思や上出来だ。
笹藪を上がると いつのまにかこんなに集まっていて
さあ帰ろうぜ。 こちら側から降りる人はいない。
マゴたちに又、キメツのキーホルダー買わなくちゃ。あんたンところはキメツ見る?
「見ない」
ダレも?
「ウン」
健全な家庭だな。
「見る人が健全じゃないとは言えないよ」
陽が当たってきた南アルプスを眺めながら、
雨ヶ岳へと続く気持ちのよい稜線。右側の木には樹氷がついてる。
本栖湖を右に見て反対側に下る。
”来年も見にくるか?”
「来年は受験だから・・・」
そうだよな、あんたたちはこれからだもんな。
オレなんか第4コーナー廻ってラストスパートかけて息切れ寸前だからな~。
とにかくお陰で、今日は来れてよかったよ。
無事に登ってこれましたと、朝の小さな社に頭を下げて昼前に送り届ければ、夜は塾?
ご苦労なことだな。