35度越えのギラギラした陽射しに手をかざしアチアチと騒いでると、つい一週間前に行ったばかりの山が随分遠いことのように思える。綿毛になったばかりのチングルマは風にそよぎ、稜線に出ると木曽側から吹きつける風が寒いくらいだった。
帽子が飛ばないようにときつく締めた金具でえらい目にあったが、ホントはそれ以上に痛い目に遭ったのはハジになるから言わなかったが、キズ跡のほとぼりもさめてきたから少し白状するか。遠い昔のように思えてもキズ跡だけは確かだ。
山から降り、こぶしの湯に入って濡れたズボンを着替え 墓参りの故郷に帰る前に ハラ減ったと駒ヶ根SAに寄り道。中途半端な時間でレストランはすいていたが、外のテントを張ったテラス席にはダレもいず ここにしよう。
手元のベルがなり、ローメン焼きそばができたと合図。カメラは置いていかないほうがいいなと肩に下げ 受け取りに行くと「お酢がオススメです」。
小皿に酢をいれてもらい、それらをお盆の載せて左手で持ち、引き戸を開けて外に出たとたんにつまずいた。
ほんの小さな段差だったが、疲れが残っていて?足があがらなかった。
大きな音を立ててバッタリと転び、それでもお盆はひっくり返さずに持ちこたえたが小皿の酢はどこかにすっ飛び、起き上がってウシロを見るとガラス戸の向こうの客がなにごとかとこちらを見てハジ!
店員のおばさんが飛び出してきて「お怪我はありませんか?」
”ダイジョウブだけど、せっかくの酢をこぼしちゃったよ”
左スネのあたりがズキズキするが骨には異常なさそう。すぐに代えの酢を持ってきてくれたのであわてて食べて逃げるようにSAを出て故郷の街のガソリンスタンドへ。
車を降り、あちこちが痛いんで見ると右ひざのズボンは破け、左スネのあたりは血が結構にじんでいる。
なんだよ、来る前に町田のアウトレットで買ったばかりの新品だぞ。しょうがねぇ、帰ったらナニに頼んで半ズボンにしてもらうかな。スタンドの兄ちゃんに近くの薬局を聞いて、キズ薬と漢方の湿布薬を買って貼り、風呂に入るのも片ヒザ上げて・・・
帰ってきて2、3日たったら左胸の下がかゆい。触ると線状のキズがありカガミを見るとアザになっている。ここもやったのか?ナニにアザの様子を聞こうと見せると、「帰って来た日より良くなってるよ」
”知ってたのかよ!”
「言うと、ヨケイ大げさなこというから黙ってた」って、オマエね~。
左スネは毎晩マゴにバンドエイドを張り替えてもらって、快方に向ってる。
暑い日は、あとどのくらい続んだろ。