曇りのち雨予報のときに登るのにふさわしい雨ヶ岳。
去年も同じ頃に登り、結構タイヘンな思いをしたのに苦しかったことなどケロリと忘れ、何より今年の正月に真っ暗闇の中をヘッドランプ頼りにこの先の峠を反対側に折れて竜ヶ岳にダイヤモンド富士を見に行ったことで道は間違えようがない。
溶岩の台座の上に鎮座する石仏を拝み
フィトンチッドが充満してる森の空気を、胸一杯に吸い込みながら あ~、やっぱり山はいいな~。
あっここは、正月に暗闇の中でこの標識に気をとられ 下の木の根にけつまついて転んだところだ。帰ってからみたらむこうずねに血がにじんでた。クソッ!
シカのヒューイという鳴き声に口笛で呼応するが、グルリ四方を見渡してもシカも人間もダレも見えない。沢のせせらぎの音と鳥の鳴き声、ウグイスも鳴いて 早くもうっすらと汗をかきながら
この切り株は、暗闇の中で幽霊に見えてドキッとさせられたヤツだ。クソッめ。
沢を渡渉。帰りにここで顔を洗ったら生き返る心地がしたな。
蒸し暑く 水もたくさん消費すると思い、一本は冷凍にして持って来た。
前に昔の山ガールに、凍らせとけばゴクゴク飲まないからいいんだと教わったからな。
オレ的には、ジョーズ岩と名づけてある岩を通り、
二人静が咲き始めた山道を、端足峠(はしたとうげ)に向かって1時間。
どこの山にもあるお約束のような倒木をくぐり、
予定より10分遅れで峠着。写真では見えないが、開けた窓のむこうにうっすらと富士山が見え、
歳をとると身体が傾いてもすぐに元に戻らない。オ~~とかそのままの体制でコンマ0.5秒くらい片足立ちで空中遊泳し元に戻ればなんてことないが、不幸にして反対側に倒れるとエライ目に逢うこともある。
毎回そういう目に会いながら、
あれか~雨ヶ岳。
去年はまわりがまったく見えない霧の中をもくもくと登ったからな。
頂上に着いたら降ってきて、あわててカッパを着込んで降りてたら大きな木の下で雨具の用意をしてるおじさんがいて、去年はあとにも先にも出会ったのはこのおじさんだけ。
「上はどうでしたか?」と聞かれ 富士山もなにもまったく見えませんよ、と答えたら じゃあ行ってもしょうがないかとユーターンしてスタスタ行ってしまい、なんだよ、ここからがきついとこなのに。
振り返るとダイヤモンド富士見物の竜ヶ岳。今年の正月は太陽が昇る直前まで頂上が見えていたのにイザというときに雲に隠れてしまった。クソッ。
クマンバチが飛んでる下に富士山があるのがわかりますか?
とにかくこの雨ヶ岳、去年は頂上かと思うとニセピークの繰り返しで 精神をかなり痛めつけられた。
今年は、その手は桑名の焼きハマ、だまされないぞと こころして登り、
峠からは2時間の予定。竜ヶ岳より300mくらい高い標高1772m。
シダが葉を拡げて、中に枯れ葉 ゴミ箱か?
キランソウ?
木漏れ日のなだらかな尾根道はすぐに終り、
ハルゼミの大合唱が始まり、こっちはよっこらしょとまわりの枝や木を頼りによじ登る。
50肩は大分よくなったといっても まだ痛むし、ストックも突き方を工夫しないと痛みが走る。
なんて花?
そうだグーグルレンズを当ててと・・・
必殺アイテム①、ゼリー状のリポビタン。
② セブンのバウムクーヘン。
③ ミルク飴。ナニが焼きオニギリの袋に入れてくれてた。やっぱり持つべきはナニだな。
そういう時にしか言わないって言われるけど。
カラスより小さめの見慣れない鳥。スマホを目一杯拡大したけど
クロカケス?あくまでカラスじゃありませんから。
ツツジの季節は終わっていた。
予定よりここも10分ほど遅れて着いた!
枝の上にうっすらと富士山の頂上が見える。
去年は、この標識はなかったな。
そこへウシロから ナタを手にしたヒゲ面と鎌を持ち頭をてぬぐいで縛った連中が現われ山賊か?
道の整備をしながら先の毛無のほうまで行く?オレはここでユーターンします。
湿った場所にキノコとギンリョウソウ?
グーグルレンズを当てて確かめようと思ったら、
森の中は電波が届かないのか。
帰り道、こんな時期なのに次々と登って来る人がいて去年とはオオチガイ。
カマ首を持ち上げかけてるマムシ草。
ヤマアジサイのやさしい色に励まされて
かなりバテながらふもとまで降りてきて見上げると、雨ヶ岳は名の通りに山頂に雲がかかり
ヒラヒラ、オッ アサギマダラじゃないか。
これが見れただけで正解だな。
一日500円の駐車場。他県ナンバーでちょっと気が引けたけど・・・