昨晩のボクシングの壮絶な打ち合いを見て、なかなか寝付かれず
寝不足の立冬の朝、第三京浜の多摩川にかかる橋の上から見たフシギな雲。
しかし、昨晩の試合は凄かった。
ボクシングの団体が乱立し、世界チャンピオンがウヨウヨ出るようになってからほとんどTVでボクシングを見なくなったが、昨日の試合はアチコチの団体のチャンピオン同士が戦い真のチャンピオンを決めるという触れ込みで 勝ち上がってきた井上尚弥と5階級王者を経験してるノニト・ドネアとの戦い、まあ、 ホントのことを言うと どちらの試合を見るのも初めてだったが・・・
高校一年の春、サッカー部に入る前にブラブラしてたら近藤というのに誘われ
当時新丸子にあった不二拳闘クラブ 通称フジケンというところに 月謝3000円を払って入会した。
毎日、高校の帰りにカバンを持ったままジムに寄り、大きな鏡に向かってワンツーワンツーとパンチを繰り出しながら進み、同じようにワンツーワンツーしながら後退するシャドーボクシング。
最初に右と左の拳の位置を教えられただけで、こればっかりやってて、
そのうち飽きて、2週間くらいで行かなくなった。
大学に入ったら、少年マガジンの 「あしたのジョー」やが。
京都の四条通りにあった教会の英会話教室で 生徒がそれぞれ英語名を付けることになり
男子はアレックスとかジョージとか品の良い名前を付けてた中で、オレはモチロン
明日の”ジョー”
聖心女子大を出てアメリカの留学から帰ってきた先生に 「不良みたいな名前ね」と言われたけど・・・ホットケ
まあ、そういうことがあって昨日の試合は、5階級制覇した36才の老チャンピオンと
モンスターと呼ばれ予選の他の団体のチャンピオンを次々とノックアウトしてきた若いチャンピオンの決戦と言う構図だが、海外の賭け屋のオッズも5対1で圧倒的に井上有利とみていた。
それがいざ試合が始まってみれば、老練なチャンピオン、ドネアの攻勢に井上が後手に廻り
2回にはマブタの上を切るなど ドネアが身体を完璧に仕上げてきてこりゃ判定になったら どっちに転ぶかわかんねェぞ、とういう展開。
ターニングポイントとなったのがラウンド10。
この回を井上が打ち勝ち してやったりのカオでコーナーに戻り、
次の11回に強烈な左のレバーストマック、たまらずドネアがひざをついてガックリ。
勝負あったな。
リェフリーがカウントを数え、ファイブ、シックス・・・
ドネアは苦悶の表情でまったく立てず、セブン、エイト、ナイン 終りだろ!
だがリェフリーはドネアの両手を取ってムリヤリ?立たせ、 ドネアも 立つの?
すげぇ根性だな。
思わず アリスの歌を思い出しちゃったよ。
そのあと、無謀に攻め入って反撃のパンチを怖れたか慎重にやり過ごし
最終回を終わって、ノーサイド。ラグビーじゃないけれど二人抱き合い、お互いをココロからリスペクトしあってクリンチもなく、すがすがしいくらいの壮絶な打ち合いは それこそ「明日のジョー」の中のワンシーンをみるようだったな。
結果は井上の判定勝ちだったけど、終りの3ラウンドの結果次第じゃどちらに転んだかわからなかった。まあ しかし 最後はスタミナ、若さの勝ちか・・・世代交代というのはこうやって進むんだな。
アメリカのスポーツニュースは「年間最高試合」の候補となる一戦と称えたそうだ。