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今年のゴールデンウイークに登った十二ヶ岳、節刀ヶ岳、

その途中の金山というところで見かけた こっちに行けば鍵掛峠という案内板が

ずっと気にかかっていて、名前にどんなイワレがあるんだろ?

 

 

その先には王岳という名前の山もあり、行く前にちょっと調べるかと検索したが

王岳は大岳が転じたもの?ナンダよ 期待はずれだな。

鍵掛峠のほうは、鳥取県の大山の近くにある同じ名前の峠ばかりヒットして 

そちらの由来は、12歳になった大山の初詣りの際に願を掛け、曲がった小枝(鉤=かぎ)を石仏に供えたことに由来するとも、大山に来る博労衆(ばくろうしゅう=牛馬の購入の仲介人)が峠の大木の枝に鉤を投げかけて吉凶を占ったともいわれてるらしいが、こちらの鍵掛峠のイワレは全くでてこない。

 

 

まあ似たようなもんか、それともここの根場(ねんばと読む)の部落の人が峠越えをする時に

しっかり戸締りをしたのかな~など いらんことを考えながら 今は西湖いやしの里根場という

藁ぶきの古民家が並ぶ観光スポットの駐車場のスミにクルマを停めて登山スタート。

 

 

10月20日の日曜日、昼くらいには晴れるという予報だが 行く手はモヤの中。

前夜の雨に濡れたススキの穂をかきわけ クモの巣をストックで払いのけながら

 

 

ちょっと行くと 林道?

いやしの里には家族連れで2回ほど来てるが、まさかあの駐車場にクルマを停めて

山登りに来るとはおもいもしなかったな。

 

 

なんだ?このつっかえ棒のむこうはどうなってんだ?

今にも水が溢れ出すんじゃないかと思い、

ズボンのスソをつまんで急ぎ足で渡り、

 

 

ガケの岩のスキマに咲く野菊?

 

モヤの中でシカの鳴き声がよく響き、

これはアケビか?

 

 

つまんでひっくり返したが、アケビのような、そうじゃないような。

ま、とにかくこのまえのツアーと違い、好き勝手放題の一人はなんと気楽か・・・

 

 

林道を一時間近くあるいて、やっと登山口。

え~、まだ3.3キロもあるのかよ!

 

しかしここに辿りつくまでに沢を渡るところで 向こう側に道があるような、ないような、

とりあえず渡ったけれども おぼつかない道。

元に戻って沢沿いを上がるも こちらも道が消えて踏みあともない。

 

 

さあ、弱ったぞ、あたりをキョロキョロ見回すが それらしきところはなく、

方角的には沢沿いを上がるんだろとよじ登り、コンクリの堰堤の上を歩いて向こうに渡ったら

ボール発見!じゃなくて道、発見。あやうくロストになるところだった。

 

 

途中じゃ、もう今日はここで引き返すかなど 相当弱気になっていたからな。

 

 

紅葉には2週間ほど早い山道を歩きながら、しかし山登りというのはダイエットに最適だな。

リュックは胸のところと腰のところで2ヶ所、ベルトで締めてるが、

今日は腰のベルトがスカスカでもう一段、きつくした。

赤石登山が効いてるんだな~。

 

 

鼻から胸一杯 空気を吸い込んで やっぱり山のぼりは一人に限るな。

 

 

そろそろ尾根筋にでてもいいんじゃない?という頃、熊笹の深い道に

ストックがつかえて前に持っていけない。

ウシロにペンギンのように交差させてヨチヨチ歩けば、

 

あっ、富士山!

 

 

富士山を見ると元気がでるのはダレでも同じ?

 

 

くたばりそうになってたのを一フンバリして 王岳到着。

7時に出て9時半、標準タイムより30分遅れだけど、十分やが。

50代?の夫婦に追い越されたが、頂上には彼らのカゲもカタチもなかった。

 

 

王岳 1623m。

 

赤石に比べりゃ、リュックの重さも半分以下 

ちゃんとおなかもすいて、コンビニで買ったイクラおにぎりをほうばり

20分近く休憩して さあ行くか。

これから 例の鍵掛峠を経由し 時計と反対まわりで根場の里まで降りる。

 

 

尾根筋には 盛りを過ぎてるとはいえトリカブトがたくさん咲いて

 

 

あらら、トリカブトの花粉をいっぱいつけたマルバチが花の中にアタマを突っ込んで

 

 

トリカブトの毒は、ハチには効かないのか?

 

そっちが終わったら こっち?

花から花へと飛びまわって

 

なんでも夢中なれるというのはシアワセや。

 

 

こっちはリンドウ?

 

野アザミの花先に水滴。

 

 

え~、いるの?

しかも新しいじゃん。

 

 

鍵掛峠までの途中に見晴らしの良いところがあって

富士山はあいにく雲の中だが、あれが西湖で え~っと あの駐車場は

クルマを停めたところ?

 

 

スマホを拡大してみれば、オレのクルマまで識別できて

要は、あそこまで降りるというこっちゃな。

 

 

倒木はたくさんあったが、よそのように処理がしてなくて

ここは折れた根元を踏んでアチラ側に・・・

 

こんな岩の割れ目を通過し、

 

ここは、とうせんぼを避けるように右側に踏みアトができていた。

 

 

野イバラの細い枝が両脇から覆いかぶさる狭い道を、イテテといいながら通過して

これぞまさしくイバラの道だなと一人で悦に入りながら歩いてると

反対側から同年代とおぼしきおじさんがやってきて どちらから?と聞けば

オレと正反対に廻ってるみたい。

 

結局出会ったのは、先ほどの夫婦とこのおじさんと若い人の3組のみだった。

 

あいにく富士山が見えませんね~と言うので、え~、さきほどは王岳から見えましたよ。

こっちまわりが大正解だった?

 

 

反対側は雲が切れて、八ヶ岳の上の方や甲府市内が見下ろせ

甲府から来たというオジサンが あっちが見えるということは 

市内からもここが見えるということだなと、このまえオレが言ったのとおなじようなことを言い、

お互い気を付けて と別れたが、ツアーのときはこういう道すがらの会話もできなかったからな。

 

 

ここでも必死で花にしがみつくハチ?ハエ?

 

 

これで紅葉だったら と思うのはムシが良すぎ?

 

 

無事に麓近くまで降りてきて

 

そういや、いやしの里の中に蕎麦屋があったな。

赤石のときと違って、さっきおにぎり食ったばかりなのにもうハラが減り、

 

 

やっぱりな。

しかしあっちまわりでよかったよ。

最初にこれみてたら、ビビリ通しだった。

 

 

根場いやしの里の裏に出て1時半、7時スタートだったから

6時間半も山の中をうろついてた計算だ。

かやぶき屋根と半鐘のヨコに、富士山がうっすらと見えるだろ?

 

 

蕎麦屋はガランとして客がだれもおらず、

今日は天気が悪いから?前に来たときはいっぱいで外で食べたと聞けば 

いやいやそうじゃなくて、最近はここに来る人達の九割が外人さん、

あの人達は蕎麦は食べませんからね~。

 

 

そういうことなの。時代が変わってるんだな。

鴨のツケ蕎麦を注文し 女将さんに「鍵掛峠」の名の由来を聞いても「さ~~?」

でも、ふとカオを上げると目の前に土瓶を吊るす鍵爪が見え、これも鍵掛って言わなかった?

 

 

 

 

古民家を見ながら駐車場まで戻り

スカスカの駐車場の整理の腕章をつけてたおじいさんに 

”あの山はなんと言うのか”と尋ねれば

 

 

「鍵掛、下った鞍部が鍵掛峠。」

鍵掛峠って、どうしてそんな名前がついたんですか?

「それは あのカタチが鍵掛けみたいだから」

そういうことなの、ナルホド~納得。

 

 

猟師をしてるというじいさんにクマは出るのかと聞けば いるよ~。

王岳に行くまでに道に迷ったといえば、ケモノ道と間違える人がたくさんいる?

昭和41年の台風で山津波がおきて、根場の部落は3軒を残して全滅。

平成になってから、前と同じかやぶきの民家を作って観光施設にしたという話を聞きながら

西湖ほとりの「いずみの湯」で 疲れを落として帰ってきたのでありました。