オトトイの朝、トーストを食べながら ふとイヌの方を見ると オレの顔をジッと見つめてる。
オマエ、そんな遠くからオレがわかるのか？
ここ数日調子が悪く、ナニが毎日点滴に通っていたが 夏も越せたし 涼しくなってきて
このままガンバレ、ヨシヨシとアタマをなでて出社したが、夕方ムスメからの電話で
「moguが死んだ・・・」
今、思ゃ あれはきっとあいつの別れのアイサツだったんだ。
ナニは病院から亡骸を両腕に抱え 泣きながら帰ってきたらしい。
オレが帰宅すると、オレのカオを見た途端にｍｏｇｕにカオを埋めて
多分オレが死んでもこんなに泣かないだろうと思うほど泣き
夜はヨコに布団を敷いて添い寝、
昨日は 庭に咲いてる花をたくさん切って持ち 二人で郊外のお寺まで・・・
いつもどこかに行く時のように、ナニは助手席にmoguを抱えて座り
曹洞宗のお寺の坊さんにお経をあげてもらい、
夕暮れの外のベンチに座って 煙突からあがる煙を無言でみつめた。
「こんなに軽くなっちゃって」
遺骨を抱き、帰りの車の中ではｍｏｇｕの思い出話。
最初は花壇のパンジーを踏み荒らしてたね。
エリーがよくmoguのこと守ってたよ。
雪の山じゃ泥んこになって・・・
枯れ葉の山道を胸まで埋まりながら歩いたときは、
次の日 足がヘンっていって病院に行ったら
「筋肉痛です」 歩かせすぎだよ！
そうそう 体育の日のゴルフ、台風で中止になったよ。
「アラ、それじゃ幼稚園の運動会に行けるじゃない」
毎年、チャリティーコンペと幼稚園の運動会は同じ日に重なって
上の時も下のも行ったことがなかった。
じゃ、運動会 見に行くか。
とにかく考えてみりゃmoguはマゴたちよりずっと長くウチにいたわけだからな～、
ありがとう だな・・・
