
谷川岳③ つづき
10時15分 谷川岳の片一方のトマの耳到着、去年より1時間は早く着いたな。

右のコブが、もうひとつの谷川岳オキノ耳、下って登れば10分ほど?
その向こうは一ノ倉岳、茂倉岳。
というのは、そこにいたオッチャンに教わったんだけどね。

こちらは 万太郎山、仙ノ倉山、平標山に続く稜線らしい。
平標山は、たいらっぴょうと読むんだって・・・

オキノ耳に向かう途中で、振り返ってトマノ耳。
山頂は賑わっている。

オキノ耳到着。こちらも賑わっていて、
写真を撮るため並び、前の人のを撮ってあげて、次の人に撮ってもらうというシステム。
ハイ、おなか引っ込めて~!

そのすぐ下にキンポウゲ科のハクサンイチゲ、これも見たかった花だ。

これは、ラン科のハクサンチドリ。
ハクサンって名のつく花が多いな。

オッ、奥の院の鳥居が見えた。
前回は、そんなのがあると知らず、今日はあそこを最終目的地として来た。

ゴマノハグサ科、ヨツバシオガマ。

10時45分 着いた。
6時に登り始めたから、ほとんど5時間、オレにしちゃまあまあのペースだ。

小さな社にお賽銭をあげ、鳥居の上の1畳くらいのスペースに腰を下ろして
景色を見回しながら、残った焼きオニギリをほうばってたら
あとからきてウシロに座ったオバサンの二人連れが
「山登りしてて始めてムシトリスミレを見た」というのを小耳にはさみ
え~、そんな珍しいスミレがあるんですか?と尋ねれば
「スグその下、紫色の小さい花だから帰るとき探してみて。道の左側ですよ」と教えてくれた。
丁度2,3日前にTVで、南米のギアナ高地には食虫植物が多く
それは土地が痩せていて、そういう植物は虫から栄養を摂るというのを見たばかり。
そんなスミレが咲くということは、ここも自然の環境が厳しいところなんだろ。
残ったオニギリを全部平らげ、お茶を飲んでたら下のほうで なにやら大声がして
「ここよ~、ここここ!」
オバサンが、指差して 咲いてるところを教えてくれていた。
ハイは~い、ありがとう~!
ほかの人が何事かとあきれて?振り向いてたけど・・・

これはキイロだから違うな。
キスミレのようだけど、ジョウエツキバナノコマノツメというヤツ?

あった。これだ。
これが虫取りスミレかとパチパチやってたら
うしろからきたおじさんが、「ムシトリスミレは見つかりましたか?」
聞いてやがったな。


相変わらず、フシギな形の雲がなびき

肩の小屋まで下ってくると、陽だまりにミヤマキンポウゲの群落。

肩の小屋裏の谷川の鐘を一撞きして

ここを行けば、タイラッピョウ?

なごり惜しいけど、イザ下山。
帰りはモチロン ロープウエー。言わずもがな。
ロープウエーの駅めざし、天神尾根を一目散・・・

忘れがたい色と景色だな。

雪に覆われていたであろう熊笹の先が皆、傷んでいる。
まだ登って来る人が続々といる下山道を急いでいると、
手に持った一眼カメラに タテハ蝶がヒョイッと止まり

オイッ、そこに止まったら どうやって写せばいいんじゃ!
あわてて、ポケットからスマホを取り出してパチリ。
どうせなら、羽拡げろよ!
意思が通じたか フワリと拡げた羽の中身が

おっ、ヒオドシじゃないか!
武具の鎧(よろい)にある緋縅(ヒオドシ))の模様に因んだ名前のチョウチョ、
珍しい!
ここで会えるとは・・・

カメラが甘いわけじゃないだろうけど、
羽を閉じたり開いたりしながらレンズをひとまわり
♪ユラリ 揺らめいて そうよあたしはダンシングドール
BGMがなんだって?

ロープウエーを使って登ってきた人達と たくさんすれ違いながら、
「天狗の溜まり場」という大きな岩に登り、足を投げ出して一休み。

ウシロを振り返ると、ザンゲ岩と雪渓が小さく見え、

え~、まだ2キロもあるのかよ。

ちょっと湿った斜面にイワカガミ。

去年を思い出す。
去年はもうバテバテ、ヘロへろになりながらこの木道を下った。

さいごのところで、谷川岳にオサラバしたつもりだったが、

ロープウエーの中から見た、谷川岳の二つの猫耳が一番それらしく見えたな。
珍しい花や蝶に出会え、よい山登りだったことよ。