
谷川岳② つづき
谷川岳は花の山、あじさいのようなオカメノキに始まり・・・

右手の木の間から マチガ沢が見える。
チュピチュピチュピー 鳥のさえずりも心地よく
急ぐ旅じゃない。先輩のデビッドさんに教わったように、ゆっくりゆっくりスロースロー。
それでも、ずっと聞こえてた沢の音が下のほうに聞こえるようになり
だんだん登りがキツクなってきた。
突然、前のほうで人の声が聞こえて、

道が崩壊している?
若い夫婦連れが、張られたロープを頼りに渡っている。

岩登り箇所も多くなり、そりゃそうだよな。
西黒尾根の登り口より歩いて20分奥まったところから登り始めて、西黒尾根に途中でぶっつくんだから。
あっちは日本三大急登といわれてるところ、それよりも物理的距離が短いこちらのほうが急ということだ。

アララ・・・
ヘタなダイエットより山登りのほうが、ゼッタイ痩せられると思うけど・・・

右手に見えるマチガ沢の雪渓も、大分上のほうに来た。

今度はなに?
鉄ハシゴ?

ヨッ、ハッ の連続。まあ考えてみりゃ子供がジャングルジムで遊ぶのと同じで、
これは言ってみれば、大人のアスレチックだな。

汗をかいて上の長袖を脱ぎたいんだが、時々吹く 沢を渡ってくる風が冷たくて
年寄りは、身体を冷やすのは禁物だから・・・

まだ鎖場が続くか。

木々が途切れたところから 谷川岳の頂上が拝め、

また現れた崩落箇所を、ロープにしがみついて通過し、

第一見晴らしから1時間、登り始めて2時間たった頃、前方にぽっかり穴が開いて
いよいよ尾根筋か。

登った上が、ガレ沢のアタマというところで 厳剛新道と西黒尾根の合流地点。

人が多くなり、頂上のほうを見上げると 登ってる人達が見える。

左手に目を凝らせば、ロープウエーの駅と、それに続く天神尾根。

朝日岳の左手奥には越後の山々?

登ってきたところを振り返れば、上州の山が浮かんで見える。

イブキジャコウソウ、 というのは帰ってから知った。
最初からわかってれば、近寄ってよい匂いがするという麝香の香りをかいだのに・・・

花図鑑で見ても似たような花があって名前がわからん。知ってたら教えて。(どうもイワシモツケっぽい。)

景色の良いところで、おなかがすいてきて休憩。
ナニの作ってくれた、ミソで焼いたおにぎりを3つもパクッとほうばり
去年は疲れ果てて、胃がなにも受け付けず水ばかり飲んでたことを思えば
オレも少しは、山男に近づいたか?パットはヤマカン男だけどな。

ツガザクラ。
最近のニュースで高齢者の山の遭難が増加しているといい、
それは若い頃の登山経験がある分、このくらいの山ならダイジョーブだろうという過信から
遭難するケースが多いというが、ま オレは経験がないからダイジョウブだろ。

花の名前、教えて。

スベスベした蛇紋岩という岩をスベリながら登って

お~、やっとザンゲ岩が見えた。
♪ あれは2月の寒い夜~~~
ザンゲの値打ちもない?

岩陰に慎ましげに、桜草の仲間のハクサンコザクラと、
あちらで言うエーデルワイスの仲間のホソバヒナウスユキソウ
これを見たかったんだ。

雪渓をバックに、こちらにもまとまって咲いてるのを腹ばいになってパチリ。

この雲は、ナニを言いたいんだ?

ツガザクラ、さっきも見たな。

スジ雲?刷毛で掃いたような すがすがしい雲。

トマ、オキの上にも、天女が舞ってるような雲。
頂上に人が立っているのが見える。(写真右下クリック拡大推奨)

去年、初めて雪渓の上を恐る恐る渡ったが、この一年で大分慣れた。
しかし、去年に比べて雪の量が半分くらい。
去年は7月だったことを思えば、今年は相当暖かいか雪の絶対量が少ないのか・・・

もうここまで来りゃ、半分終わったようなもん。
スグ先に肩の小屋はあるし、水を全部飲んでもいいだろ。
去年はあそこで1本400円のお茶を二本も仕入れたからな。
♪水割りをください 想い出の数だけ
あいつなんかあいつなんかあいつなんか
飲みほしてやるわ~

小屋で売ってるお茶も、ここで冷やせばいいのにな。

下のほうからも見える、ケルンの真下に来た。
右手に行けばすぐに頂上。

肩の小屋を下に見て、
あの尾根のあたりをハルリンさんが徘徊してねェか?

しかし千変万化の雲の表情、秋の雲と見間違えそうだな。

前を行く、ロープを背負ったおっちゃんの背中に
「魔の山なんて誰が言う 味わい深し谷川岳」
This story is to be continued