
ホテルの朝食のバイキング、納豆と味噌汁、キンピラごぼうと筍の煮物を大急ぎで搔き込み
中央道をすっ飛ばして駒ヶ根バスセンター、昨日より人が多く臨時便の2台目に乗って
目指せ!極楽平。
12本爪の借りたアイゼンを、リュックの底に忍ばせて

またロープウエーに乗って上に着けば、昨日にも増して天気良さそう。
早くも駒ケ岳ルートにとりついている登山者の群れが蟻のように見える。(老眼の方は右下隅クリック)

ウ~ム、やっぱりしっかり雪に刺さるな。

半分雪に埋もれた駒ケ岳神社の脇を抜けて いざ再チャレンジ!

昨日とは違う登山相談員に「雪崩はダイジョウブですかね~」と聞けば
「ゼッタイないとは言えません」まあそうだろうな。

こういう感じで、足跡を辿って登る・・・

昨日引き換えした辺りまでは、ルンルン。
なんて楽しい山歩きだ。

やっぱり12本爪の威力はバツグンだな。
ザクッザクッと雪に突き刺さる感じ。
しかし油断だけは禁物、一歩一歩確かめながら上を目指す。

さあ、いよいよ雪崩れの通り道。
今日に限ってナダレてくるってこと、ないだろうな。
とにかく、急ぎたいんだが、いよいよ斜度がきつくなってきた。

ザクッ、ザクッ 数十歩歩いては、息を整えるため一休止。

ハイマツがアタマを覗かせて、ハイマツ帯の上に雪が積もり その上を歩いてるんだな。

その証拠に、時々ズボッっとピッケルが根元まで突き刺さり、抜くのにも一苦労。

足跡の上にしっかりアイゼンを食い込ませ、あくまでも慎重に・・・

お~、半分は来たかな?
これからが難所、気を引き締めて・・・
しかし暑い!。
カメラとリュックをころげ落ちないように下ろし、
上の防寒着とその下のジャケット2枚を脱いでリュックにしまった。
風が気持ちいい~。

下のほうでは、表面にうっすらと黒いヨゴレがあったが、このあたりは真っ白。
世俗のヨゴレとは無縁の世界?

もう少し、斜度はいよいよきつくなってきて 這いつくばるように登りながら10ッ歩数えては ハ~ハ~ 一休み。

そっと左を向くと うわ~、滑ったらゼッタイアウト!だな。

右側。斜度がわかるってもん。

もう少し、あと50歩!
下を向いて登っていたら、急に尾根筋に出て 着いたあ!

上から下にカメラを向けても、登ってきた斜面が見えない。

念願の極楽平の標識、三の沢岳をバックに記念撮影。
標高2800mくらい・・・

右手奥に 数年前噴火をおこして多くの登山者が亡くなった木曽の御嶽山。

望遠で撮れば、マボロシのように浮かんで見えた。

ちょっと尾根筋をヨコに歩いて下を覗くと、セッピのように張り出した雪に筋が・・・
あぶねェ、これ以上前には行けない。
一人、スキー板を背負って登ってくるのがいる。

右手には岩が露出している宝剣。
去年、よくあんなところ登ったな。怖いものしらずもいいとこや。

ははは、あいつ手とヒザついて登ってやがる。
まあ、他人のこと笑えないけどな。
ようやく登ってきたスキーヤーに、
「あなたなんかはスキーでさっと下りれるんだからいいよな。オレなんかこれから死ぬ思いで下るよ」

ついでに、写真を撮ってもらって いよいよ恐怖の下り。
上から、登ってきたとこをスキーヤーと一緒に覗き込んでも、え~これムリだろ。
その時スキーヤーが こっちをナナメに下ったらと指差す方を見れば、うっすらと古い足跡が続いてる。

もうここ行くしかない。早く恐怖から逃れたい気持ちで 足を踏み出すが
右すねと、靴の右側を雪の斜面に押し付け 右腕のピッケルはチカラをこめて突き差し
これじゃ、またヒジが悪化するやないか。

今度は逆にユーターン。
スキーなんかで急斜面をナナメに走るのと同じ要領で、とにかく恐る恐る油断スナと言い聞かせ、

あの、真ん中に人のいるところまで降りりゃ こっちんもんだろ。

オッ、飛行機雲・・・

やっと、出発点の神社まで戻ってきて 無事のお礼に手を合わせ、

アイゼンを返すのに雪を払って ほっと一息。
さ、あとは帰るだけ、捕まらないよう サイゴまで気を抜かないよう。

オミヤゲに買ってきたイナゴのつくだ煮に、マゴたちはわ~わ~きゃ~きゃ~虫じゃん!
それにしても楽しかったな~、今年のGWは終わったようなもんだな。