
世の中は、予定通りには行かぬと知っちゃあいるが、もうゲート?
湯ノ沢峠の上に咲く、若い一本桜の花を見ようと
乗り気でないナニを、クルマを降りりゃ1時間もしないで着くからと説き伏せ、イヌ連れできたが
ぜんぜんハナシが違う?

そこまでクルマで行けるとふんでた湯ノ沢峠登山口の、相当手前でゲートに待ったをされて
ゲート手前にクルマを止め、テクテク。
雪のカケラもなく、ゲート閉じてるイミがあるのか?
ゲートに貼ってあった写真は、ここを突破していったヤカラがいたようで
器物破損罪で、見かけた人は通報してくれというもの。

「え~、あと9キロ?ムリだわ」というナニに
いやいやそれは道路のハナシで、あとちょっと行けばショートカットする登山道になり、
そこからなら30分と言い訳したが、そこを行ったことはないし 自信があって言ってるわけじゃない。

まあ、普段の散歩のつもりで、メドがつかなくなったら引き返そうと思いながら
空気が暖かくなってチョウチョが飛び交い

花や

トリに癒されながら ゆっくりゆっくりほぼ2時間近く?

やっと、上り口が見えた。
ホントならここまで、クルマでスイ~ッだったはずなのに、
ゲートを突破したヤツの気持ちがわからなくもない。

★印付近がゲート、山梨県の県道林道情報のページに記されてたバッテンは現在地だったのに
今更、文句を言ってもはじまらねェ。

さきほどの案内図でみると40分、イヌ連れで倍か。
まあ、気持ちの良さそうな道だ、ゆっくり行こうぜ。
だまされた、だの不平不満のナニを先導し

結構ワイルドな道だな。
今まで歩いてきた舗装道とはまったく違う感触に 気を取り直し

ずっと沢沿の細い山道を、すべるぞ気をつけろとか気を遣いながら

何回か沢を渡渉して

半分くらい来たか?

イヌは舌を出してハ~ハ~。

イヌが歩けそうもないところはダッコして

「まだ~?」
と聞かれれば もうちょい!

沢をあっちにいったりこっちに来たり、イヌ落とすなよ。

かなり冷たい沢の水を、ビニル袋に入れて犬の背中にくくりつけ
過保護だろ!
何言ってるのよ、ワタシたちは上を脱げば済むけど、イヌは毛皮を着たままよ・・・
イヌも足を水に浸してるのに冷たいって言わないから、気持ちが良いのか?

二人、一緒に乗るとあぶなそうな橋を渡り、

上り口から1時間?やっと湯ノ沢峠駐車場着。
4月25日にゲートが開けば、ここまでクルマで来られる。
その頃は満杯だろう駐車場に、人っ子一人見当たらないけど、
マア、その前に来るというのがアマノジャク?
それに、例の桜が葉桜になってたんじゃシャレにならんだろ。

イヌも登山者用のカウンターを押して
「まだ登るの?」というナニに、もうそこだよ!

お花畑をシカから守る防御柵を開け、
そういやここまで、シカにもクマにも人間にも誰一人会わなかったな。
「あんな思いして来る人なんかいないでしょ!」とブ~垂れてるのが一人。
そうして、その柵の先にお目当ての桜が・・・

あるはずなんだが、あれか?
うしろの南アルプスはそのままだけど、
花が咲いてるどころか、桜、なんかおかしくないか?

ちょっと近寄れば、折れた枝が回りに散乱して
枯れてるのかよ!
吹きッさらしの極寒の場所だからな~。
どこからかタネがとんできて、ここまで大きくなったのにそれも運命か。
まあ、そんなもんだな。

あの大蔵高丸まで行けば、富士山がまん前に見えるが、もうその気力もなく帰るか・・・

うしろを見れば、筑波山?よくわからんけど。

湯ノ沢峠のお花畑の標識の脇に、これも桜?
枝を見ると、まだ固いつぼみが・・・
どっちみち、まだ早かったんだ。

南アルプスを見納めて、イザ下山。

途中、下のほうから声が聞こえて団体さんがあがってきた。
タクシーで来たが、やはりゲートで下ろされたと言い
二人で渡るのはヤバそうと言ってた橋を、みんなで渡っていった。

今年14歳になるイヌもケナゲによく歩き

ウンッ?あの砂の中に光るのは、もしかして

砂金!

水の中に手を突っ込んで砂をすくえばキラキラ
武田の隠し金山が、この辺りにあったというからな。
今度は一人でゆっくりきて、サクラよりサキンだな。

イヌはヨタヨタ、人間もヨロヨロ

ハダシのイヌは冷たい水で涼をとり

人間は砂防ダムの下で涼んで

落石注意ケ所を駆け足で通り過ぎて

また舗装道路をテクテク、

お目当ての桜は見ることができなかったが

行きに3時間半、帰り2時間の6時間に及ぶ山歩き、
「明日、ゴルフでしょ?」
明日はないよ。
「どうりで、よく歩くと思った」