
ちらほら咲き始めた梅の木で、見慣れない鳥が花の蜜を吸っている。
メジロじゃないよな~。

また白いものが落ちてきた庭に、
ミカンとカメラ片手に飛び出て、餌台にミカンをおいておびきよせ作戦。
上のほうから徐々に下の枝に飛び移り、

このピンと伸びた長いシッポは、もしかしたらウグイス?
ウンともスンとも、ありがとうとも言わずに飛んでっちゃったが
♪ 春は名のみの風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず
童謡の歌詞、そのままだな。
今日のこんなステキな出会いのあとだけど、昨日の無粋な出会いのハナシも聞いてくれる?
先週のこと、大手財閥系の名前をアタマにつけた**開発というところから、家の固定電話に
「あの辺り一帯を再開発するので、伊豆の土地を売って欲しい。」と電話があった。
土地があるといっても100坪にも満たず、昭和40年代の別荘ブームのときに父親が買ったもの。
当時はうれしがって小さな小屋を建て、ちょくちょく家族入れ替わり行ってたが、
そのうちみんな足が遠のき、ここ30年くらいは、ほっぽリッ放し。
7,8年前、子供と沼津に釣りの帰り、見たことがないというのでちょっと様子見にと行ったが
外の壁はキツツキかリスが開けたような丸い穴があき、中はとても泊まれるような状態じゃなかった。
4年前にはそこの管理組合から、下の別荘に住む住人が ウチの小屋が台風でもきたら崩れそうで怖いと
言ってると文句を言われ、しょうがないんで地元の土建屋に100万払って壊してもらったところだ。
こんな面倒なところ、どっか処分できねぇのかと ちょっとその方面に聞いても 二束三文でも売れません・・・
というようなところなので渡りに舟のような話、昨晩、約束通りにパリっとしたスーツにネクタイ姿の青年が現れ
お宅はあの**と関係があるの?と聞けば「資本関係はございません。」
どんな再開発するのか?と聞けば あそこを欲しがってる人がいる?
なんだ再開発するんじゃないのかと思ったが、最近はリタイアして伊豆に土地買って家を建てる人が多い?
そうして、取り出した見積書を見てビックリ、坪8万なにがしで800万?!
こんなにするの?
30歳くらいの営業マンはニコリともせず、欲しがってるお客様がいます。売れれば今月末、
遅くとも来月末には入金できます。
「任すよ、うまくやってくれよ。」
もう舞い上がって目がくらんでそう言えば、「えっ、いいんですか?」
他のところはお年寄りが多く、なかなか即決していただけませんが、一応条件を聞いてくださいと言って
「弊社は土地売買の仲買・斡旋をするわけじゃなくて、ウチで買取ります」
なおいいじゃねぇか。
「その上で、買いたいというお客様から入金あり次第お支払いいたします」
なんかよくイミがわかんねぇな。じゃお客が現れなかったらどうなるんだ?お宅が買って払うんじゃないの?
ですから、買いたいというお客様はいらっしゃいますからご心配はいりませんが、万が一の場合に備えて
契約のとき、等価価値のある別の土地の権利書を担保としてお預けいたします。
そりゃ、どこの土地だ?
「三宅島とか・・・」
三宅ェ~~~?まあ釣りにはいいか。
それでもご心配ならと、 土地取引の保障協会みたいな書類を見せられ
いざとなったらここが金銭の保証をしてくれます。
まあ、いいよ。それでどうすりゃいいんだ?
住民票2通、印鑑証明2通、実印と土地の権利書 それに手数料として18万円をご用意いただければ・・・
18万?
手数料としていただいてます、というのでまあそんなもんか。
昔、親父が生きてた頃、アノ土地を売ってやるからと言うのがきて、
それについては雑誌に広告を載せるからと広告料を50万円持ってってそれっきりっていうのがあったけど
それに比べりゃ損してもダマされても18万か、まあ あんたを信用するしかないな、とジッと目をみりゃ
営業マンもオレを見つめ返してきて、来週の水曜日に契約に伺います。
それともう一つ、今から上司に電話しますので替わってお話してくださいといわれ
契約内容の確認をされ、くれぐれもキャンセルはナシにしてください・・・
おかしなこと言うな~、今、言うことか?と思ったけど こちらの営業マンと話すと電話を切り
オレも一応相談してみたい奴がいるんで 一日待ってくれ と言えば
どうぞ十分に納得されたほうがいいですから
とあくまで丁寧に、ナニが出したコーヒーも ちゃんとオイシイとお世辞を言い 歳を聞けば29歳?
静かに玄関を出て行ってから、800万に目がくらんでいたオレも それにしてもと
早速ネットで**開発の評判をチェックすれば、ちょっとヤバイんじゃないの?
契約して損をしたというのは出てこなかったが、いかにもいかがわしい評判、
大体相場の10倍以上ってのは、なんかあると考えるほうが正常だろ。
というわけで、昨晩のうちに この話はなかったことにしてくれと電話を入れ
あの営業マン、ダレかに似てたな~と思い返していたら、そうだ漫才のカマイタチの片割れだ!

あぶなく カマイタチに切られるところだった。