
信州の山奥の隕石クレーターに登り、隕石探しの旅 と思ったが
せっかく信州まで出向くんなら、あの宝剣にも登ってみたいと・・・

6年前の冬に 信州に住むオジが突然亡くなり とるものもとりあえず駆けつければ通夜は二日後、
持て余した時間を ロープウエーに乗って千畳敷まで登り、見上げた宝剣の姿に圧倒された。

マサカ、あの時はこの山に登る日がくるとは想像もしなかったが、芳しくない天気予報に
薄いゴルフ用のカッパじゃこころもとないと 新調したゴアテックスのカッパをリュックに忍ばせ
全米プロ、松山の2番ホールのなんでもないヨセをエラクショートしたのを見て、緊張してるのか?
もっと見たかったけど 時間だ 行かなくちゃ。
朝4時に家を出、雨の中央道をひた走り 駒ヶ根菅の台バスセンター、7時45分のバスにすんなり乗れ、
しらび平駅で乗り継いだロープウエーは雲の中を上がり、まあ今日はしょうがないかと半分あきらめていたが

千畳敷駅に着いたら、なんと奇跡のように雲の窓が開いて南アルプスが見渡せた。

反対側は晴れて!いて、真ん中の高いのがこれから登る宝剣!

ロープウエーで来た人達の98%は右手の千畳敷カール、駒ケ岳方面に向かい
左に行くのは チラホラ。
もっとも、駒ケ岳に登る気はさらさらなく、早いとこ宝剣をやっつけ 隕石探しに行かなくちゃ。

あれか~。
やっぱりカッコいいな。(あとで調べたら他の山?)

振り返ると 南アルプスの山々、去年登った仙丈ケ岳もあの左のうちのどれかかな?

たくさんの高山植物が咲いて、名前もおいおい調べる。

真ん中のとんがってるヤツだ。

なんとかシオガマ?

雲が山合いを遡ってきて千畳小屋に近づき、宝剣で雲に巻かれて道迷いし遭難した人がいたっていうけど
気ははやっても、足はそんなに言うことを聞くもんじゃない。

ウシロはおいといて前を向けば、お花畑の向こう 真ん中の谷に雪渓が見える。
上から降りてきたヤツが「極楽平、もうスグそこですよ」
まだスタートしてから40分ぐらいしかたってないけど、そんなに疲れた顔してる?
レンチャンゴルフが効いたかな。

8時50分極楽平、なにが極楽なんだか・・・
方向を示す板の右下にちょこっと木曽の御嶽山。
ここを右に行けば宝剣、愛知から来たという青年達は左の空木岳を目指すという。

あれが空木?ここから4,5時間かかるということは手前の別の山か?

目を凝らすと、南アルプスの右手奥に富士山のテッペンがちょこっと・・・
見えない人は、ココロの目で見てください。

気を引き締めて・・・と。

ヤバ、雲が雪渓の上までジワジワ攻めあがって来てる。

9時20分、いよいよ岩場に取り付き。
ストックは邪魔になるので、リュックの脇のお茶を入れてあるポケットにしまった。

前を行くヘルメットをかぶった女性?のルートを良く見て、

グリーン上で他人のパットを見るのと同じだな。
参考になるヤツとならんのと・・・

結構な岩場だな。
このまえBSでやってた山登りを見てたら、こういう切れ落ちたところで
♪ まっさかさまに~堕ちてディザイアー
って歌ってたやつが こんなところで歌わないでとヒンシュク買ってたけど・・・
落ちたら2ペナどころの騒ぎじゃない。

雲はまだ追いついてない。

空中遊泳か!足はどこに着くんじゃ!
サルならまだしも。

あのちょこと見える御岳山が爆発したんだよな~。

ロープウエーの終点の千畳敷駅から続々と登ってくる人の列が見える。
駒ケ岳などを登山する人と、途中までハイキングがてら観光する人はこちらのルート。

あれだな、雲も上ってきてるけど、もう一フンバリ。
手前宝剣、中岳があって奥が駒ケ岳。

あとフタ山越えれば・・・

♪ まっさかさ~ま~に~
エンギでもない・・・

岩の登るのは息が切れる。
途中は休み休み、どっこいしょ、エンヤコラの連続。

そんな岩場でこんな景色を見せられちゃぁな。

岩の割れ目にケナゲに咲くチシマギキョウ

先ほど前を行ってたヘルメットの女性が、岩の上に休んでいて
オレのリュックから飛び出たストックを「それじゃ手を突いたときに岩に突き刺さってしまいますよ」
と優しく直してくれ、どうもご親切にありがとう。

「いえいえ、ここで遭難されたら私達のせいになりますから・・・」
「えっ?プロ?」
どうも格好が板についてたと思ったが 「山岳救助隊です」

ザックの脇のポケットから飛び出さんばかりのペットボトルも
「これじゃ落ちてしまいますよ。落ちたときに慌てるのが遭難の元です。
キャラメルも一緒にザックの中に入れときましょ」
と、後ろ向きに座るオレのウシロで面倒みてくれ

首からブラ下げたカメラを見て 「岩に当たりますね~。カメラより命ですよ!」と念押し。
ずっと岩の上に座ってこちらをながめてると思ったけど、オッコチないか見張ってたのか?

先に行くという山岳救助隊をパチリ。
ロープを何本も腰に下げてたけど、ま、落ちたらデザイア~!ナンノコッチャ

あそこくぐるのか?

這ってくぐり、後ろをパチリ。

なんだこりゃ?
突き刺さってるというか、飛び出してるというか・・・
まちがって、今日に限って崩れるということはないだろうな。

10時、お~やっと頂上。
この夫婦の記念写真を撮るのとバーターでオレも撮ってもらった。

どうみてもしがみついてるの図。
標高2931mのテッペンには手をついただけ・・・

頂上の岩の隙間に小さな社。

夫婦の後ろにつき、帰りは頂上をグルッと廻って反対側へ・・・
向こうから登ってくる人とで こんなところでも急に渋滞発生。

宝剣小屋の前を通り 乗越浄土。
駒ケ岳は信仰の山、極楽平といい ネーミングもそれなりに。

こちら側は千畳敷からの行列ですれ違うのもタイヘンな状態、しばしば足止めをくらった。

ウメバチソウかチングルマかハクサンイチゲのどれか・・・

11時、やっと戻り 千畳敷の小屋でコーヒー。
山の水で淹れたというコーヒーのカップには、ここの標高2612mが・・・
帰りのロープウエーはものすごい混みよう。
待つ人の列がトグロを巻き、それでも9分間隔で60人乗りのロープウエーがフル回転、
30分ぐらいで乗ることができ、しらび平からの帰りのバスもフル回転。

そのバスの運転手が「おサルさんがいますのでゆっくり走ります」
窓の下には子連れサルが・・・

菅の台バスセンターすぐの「こまくさの湯」にあわただしく浸かって、1時半。
グレートトラバースのアノ人に負けないよう、さ、目指せ一日二峰。
(遥かなり遠山郷・・・つづく)