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(つづき)
雪渓のアタマって見たことある?上からダンダンに融けていってる。

表面からは冷気が上がって、夏中に消えてなくなってしまうんだろうか?



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イワヒゲ?

冷凍の水のペットボトルも三分の一は融けていて、冷たくてウマイと全部飲んだら

手持ちの水分はボトルの中の凍った氷りだけ、大事にしなけりゃ・・・

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これは何?(谷ウツギでした)

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え~、あの雪渓を渡るのか?

うれしいけどちょっと怖そう。アイゼンなんか持ってこなかったしな。

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ここでやっと7合目か。

11時。そうとう雲がでてきた。

そういえばGPSチェックしなくちゃと取り出したら、電池切れで消えている。

入れっぱなしですでに6時間以上経過してるからな、新しい電池入れてくりゃ良かった。

こうなると文明の利器も、お荷物以外なにものでもない。


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少々のショックはおいといて、イザ!

雪渓に恐る恐る足を踏み入れ、

ついてる足跡の上に足を置き、へっぴり腰でそっと登る。

こんなんだってスベリ落ちたら一巻のオワリ?


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渡り終えたところが肩の小屋。

ロープウエーからくる天神尾根との合流地点で急に人が多くなった。

小屋に飛び込み「冷たいお茶を一本!」

ありません。




ニベもなく断られ、「そこに並んでるじゃない。」

それは冷たくないですよ。



そういうヘンクツなこと言わないで、雪渓で冷やしておいてくれればいいのにといってもニコリともせず400円。


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ここからなら、もう大したことないだろ。

帰りにもう一本買えばいいやと、冷たくないお茶をゴクゴク飲んで頂上に向かい、

フト顔を上げると、さきほど あと1時間ぐらいと言って上ってった若者が 立ち止まってオレを待ってて

「お父さん、もう少しですよ、ガンバッテ・・・」



ダレがお父さんじゃ!まあオジーさんって言われるよりマシか。

そのあとに例の高校生の一団も降りてきて どこの高校かと聞けば群馬の渋川高校登山部。



オレがサッカーに明け暮れてた高校時代、柔道部に星野っていかついヤツがいて

こいつが山岳部にも籍を置いていて 当時毎年たくさんの遭難者がでて

魔の山と呼ばれてた谷川岳に行くというのをとてもうらやましく聞いた覚えがある。

今回、谷川岳に登ろうと思った遠因も そこにあるかもしれないな。



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着いた。谷川岳山頂トマの耳、1963m。

ガスって廻りはなにも見えないが 赤トンボがうようよ飛び交ってるのが見えますか?

一応の達成感に浸るが、谷川岳の頂部は二峰に分かれており、もうひとつのオキの耳 目指して一旦は下り。

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あのガスのかかった先まで 下って下って下って登る~。

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岩陰に、ハクサンフウロでいい?


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雪渓の断面図。


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調べたら、金車(キングルマ)


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オキの耳1977m 12時。

大勢の人達が座って丁度食事時だが、オレは後ろから来た人に写真をとってもらい早々に引き返して

帰りは当然、ロープウエー。


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あっちじゃエーデルワイス、こっちじゃウスユキソウ。


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キリンソウの一種?

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コバイケソウ、牛奥雁腹摺山に登った時、ギボシみたいな葉だと言ったら

それを見たみ~こさんが教えてくれた花だ。

さっき買ったお茶一本はすぐに飲み干し、もう一本仕入れて さあ帰ろう!


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帰りの天神尾根も雪渓を横切る。

登りと下りが入り混じって大賑わい。


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徐々に肩にリュックの重さが食い込んできて、両ヒザにもかなり疲労が溜まってる。

登って一安心と言ってると痛い目に会う。

こういう時こそ集中力を切らしてはならねぇ。

ちょっとひっかけたら、たちまちオービー?

ゴルフでもこういう精神力があったら、もうちょっとマシなスコアになるのに・・・

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見事な笹原。

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天狗の留まり場。1時。

大勢の人が景色の良い岩に登り休んでいる。

オレも見習ってこの日一番の大休憩・・・といっても7,8分くらいのもん?

大きな岩の上に大の字になって寝転べば、背中に岩の暖かさがキモチ良い。




ここで大発明をした。

氷だけ残ってるペットボトルに先ほど買ったなまぬるいお茶をいれると、あ~らフシギ冷たいお茶に化ける。

アタリマエか。




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反対側を見ると。オッ、あれはザンゲ岩じゃないか。

あの尾根をず~~っと登ったんだな。

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下を覗きこんで 落ちるといやね~と言いながら山おばさん、いやね~じゃ済まされめぇ。


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下から雲が湧いて、谷川岳の本性?


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なんだよ、いやな雲だな。

と、思う間もなくポツリポツリ、来た!


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昔の山ガールに教わった通り、あわててリュックカバーをかけ ゴルフのレインウエアを着たけど

ウシロから来る人達はおかまいなしにさっさと降りていく。

ウンッ?


本格的に降ったらムギワラ帽じゃスキマがあって役に立たないと思ったが

そんなシンパイをするまでもなく すぐに止んで なんでィ。

ポツポツきたら、すぐにざっと来ると教えてくれた山おばさんの言うこととゼンゼン違うじゃないか。


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あと600m。

ここらあたりが一番きつかった。

大分下に下りてきて虫もブンブン、しかしリュックを下ろし虫除けを取り出すのもしんどい。



氷はお茶と混ぜて飲み干し、お茶本体に一口残っているだけ。

ガマンガマン、なにがあるかわからない。サイゴのサイゴ、ヨシとなるまで口をつけないで・・・


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ふ~~、やっとロープウエーの駅が見えた。 もういいだろ、残りをゴクッとして

ヨロヨロたどりついたのが2時35分。

5時半にスタートしたわけだから、延々9時間ほとんど歩きっ放し。そりゃ疲れるな


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ロープウエー駅のレストランに飛び込み イチゴのかき氷りにコーラ。

アタマ キンキン、ウマイ、キンキン、うまい。

ずっと締め付けてた登山靴を脱ぎ、椅子の上にあぐらをかいて座って かきこんだ。



ロープウエーはものの数十分で下に・・・

一日停めていても駐車料金は500円ポッキリ。

帰りの道すがら日帰り温泉に飛び込み、ゆったりしたらハラがへり

ソバ屋を探して天麩羅蕎麦、自家製らしき野菜の天麩羅に満足して 

よし、登ったぞと 高速に入り 山じゃ追い越されるばかりだけど

ここならとヒャ~と走ってたら 前にピカピカするクルマ。



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あわててうしろについて、

おかげさまで今回の山行きは無事、何事もなく、パンツのシンパイをすることもなく

思い返せば苦しいことが80%だけど、谷川に登ったぞと大きな声で言えそう。