
「セミナーがあるんで来ませんか?」
「行かねぇ~よ、そんなもん」
10秒で仕事のハナシが終わって「コンペ行ってきました」
「123くらいで廻ったか?」
「惜しい!126でした」 ナニガオシイだ!
まあゴルフだけは練習せにゃウマクならんけど、銀行員があんまりうまくなってもナンだしな~。
日曜のB組で一緒だった、リーチのムスコのイッパツは大学のゴルフ部。
うまくなったか?と聞けば退部して後輩にゴルフのルールを教えてる?
そんなの教えてどうする!まあだけど、ルールは大事だからな~。
ムシすりゃ捕まるし・・・
逆に、最近山に行かないのかと聞かれて、「免許戻ってきたら 大菩薩峠に行くよ」
なんの反応もなく大菩薩峠 知らない?映画になったのも?あんたいくつだよ
「55歳」
ヨコの初めて一緒になったおじさんも「すみません、私も知りません」
べつにあやまられることもないけど・・・
このおじさん、昼の食堂で帽子とったら頭のてっぺんに剃り込みが入ってて
60歳くらいが、大菩薩峠を知ってるか知らないかの峠か?

それ、どこにあるのかと聞かれ 「山梨県」と答えて 前の組が2打目を打つまでにノーガキ。
その大菩薩峠に黒い着流し、編み笠の 机龍之助ってヤツがいて、
通りかかった老巡礼を、理由もなく問答無用の不意打ちでバッサリ、というところから物語りが始まるんだよ。
こいつがとんでもないヤツで自分勝手なニヒリスト、もう出合った女は手当たり次第・・・
この、机龍之助の剣の構えが「音無しの構え」って言ってな、向かい会った相手が討ってくるまで動かず
シビレを切らした相手が斬りかかってくるところを一刀両断にするってやつで
相手の刀と一度も刃を合わせず、チャリンという音がしないから「音無しの構え」ってんだ。
オレらが子供の頃は、スカシッペをしたやつが「音無しの構え~」ってよく言ってたけどな。
全く興味なさそうに失笑して「ボクらのころはTVでチャンバラやってなかったからな~。それよりもう打てますよ」
ここに来てくれる人も オレより上は二、三人。みんな大菩薩峠なんて知らないって言うんだろうな~。
例え聞いたことがあっても、若作り装ってシランプり決め込む?
二月に道迷いし、えらい目にあった牛奥ノ雁ヶ腹摺山からもう一度登って
雪の上の自分の足跡を見つけたあたりを拝み、小金沢山から大菩薩峠の方へ、・・・
まあ言ってみれば巡礼の山登り?
机龍之助に会わなければいいけど。