
「ガルシア、ここまで!」
18番、セルヒオ・ガルシアがバーディーパットをはずした瞬間TVアナウンサーが叫んだ。
2位の全英チャンピオン ロリー・マキロイに3打差をつけてスタートしたブリヂストン招待、
朝、TVをつけたときにはまだ5番ホールというのに もうマキロイに逆転されてて エ~~~~?!
1,2,3番と連続バーディーのマキロイに対し、3番でボールを曲げてボギーとしたガルシアは
逆に一打差をつけられてた。やっぱりな~、2日目の快進撃は、あの日だけだったか~。
再逆転する気力が残ってるのかと想いながら電車出勤、
会社についてすぐにまたTVをつけたが、順位はそのままだ。
15~20ヤードもマキロイに置いてかれるドライバー、セカンドショットもすべて内側につけられ
よくココロが折れないでやってるな~と見ていたら
突然に、ギャラリーの女性の手の平が映り、その上にキラリと大粒?なダイヤモンド。
ガルシアが3番で曲げたボールが、女性のはめてたリングに当たり
吹き飛ばしてしまったダイヤモンドが ラフの中から見つかった?
とにかく マキロイより先に打つセカンドショットが、思うところと違う方向にそれて
行方を見つめるガルシアの悲しげな目は、いつかも見たのと同じだな~。
長い距離を沈められず、残りのパットに向かう奴のちょっと丸まった背中が「しょうがねぇな~」
結局2打差をつけられ戦いは終了。
勝者のマキロイを なんのてらいもなくココロから祝福するガルシア、やっぱりオマエはいい男だ。
3番でグリーンを右にはずしたあと、優勝争いのさなかにもかかわらず
フッ飛ばしたダイヤモンドを、ギャラリーと一緒になって探したが見つからず
「あとで、彼女の連絡先とか教えてくれ」 と 言い残してグリーンに向かったという。
プレー終了後のインタビューで「もし見つからなかったら買うつもりだったか?」と聞かれ
「その準備はあったよ」 とガルシアは答えたそうだ。
「私も今日、ダイヤモンドを失くしたの」 と続けた記者に
「本当?それって 僕が悪いの?」 とガルシア、
沈みがちな敗者のインタビューが、大きな笑いに包まれたという・・・