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お友達ゴルフは、オリンピックが必須科目だが、
 
スタート前に、いつもハンディで揉める。
 
このまえ勝っただろ!と言われても毎回メンバーが違うが
 
まあそこは微妙で、落ち着くとこに落ち着く。
 
 
 
このオリンピック、時々結構大きなことになり、もうやらねぇというのがでてきたので
 
得点による順位定額制に変更したが、オレたちは普通の得点のほかに「ヘビ」というのがあり
 
ハーフごとにサイゴに3パットした奴が「ヘビ持ち」と言って得点をマイナス5点される仕組み。
 
 
 
途中で3パットしても、次に3パットした奴がでりゃそいつにヘビを渡すわけで、
 
渡されたほうはホントにヘビを投げられたような、イヤな気分になる。
 
だから途中では「今ダレがヘビ持ち?」と常に聞いてまわり
 
最終ホールで3パットすれば、今まで、1点2点とエイエイと稼いできた点数を一気に吐き出すことになるので
 
長いパットなんか残した日にゃ、結構プレッシャーがかかるのだ。
 
 
 
某政党の機関紙の編集長をしていたクロさんは、
 
部下や周りをどなりまくるコワモテだったが、遅くにはじめたゴルフにハマり
 
オレたちと同じ群馬のゴルフ場のメンバーになって、よく途中の環八で拾ってコースまで行った。
 
 
 
このクロさんが、態度に似合わねぇチキンハート。
 
ヘビの恐怖で最終ホールに来るとビビリまくり、3mくらいのパットを1mもショートする。
 
見てるこっちにすりゃ、フルえて打ってんじゃないの?というくらいの1mのヨロヨロパットがハズれた瞬間、
 
ギャーッとグリーンにヘタりこむクロさんを見て、ハラを抱えて笑った。
 
 
 
そのうち、最終グリーンに向かう途中 「線路は続くよ」のメロディーで
 
「♪ ヘ~ビ、ヘビヘビ、ヘ~ビ」 とヘビの歌を歌って、
 
「止めろ~」と両手で耳をふさぐクロちゃんにプレッシャーをかけてたんだからヒデぇもんだったな。
 
 
 
ゴルフ場までの行き帰り、政党が野に下ってやっぱり政権党でなきゃダメだと嘆いたり
 
官房長が「ひれ伏してでも」というほど勢いのあった小沢某が「自由党」を創って
 
「自由新報」という題字にナンクセをつけ「自由民主」と改題させられたときは、怒りまくってた。
 
 
 
ある年の暮れのコンペでショボショボして 「どうしたの?」と聞いたら「風邪で声が出ない」
 
それが年が明けてガンだとわかり、あっという間に逝ってしまった。
 
 
 
オレたちゴルフ仲間も溝の口の斎場に駆けつけ棺に花を捧げ、いざ蓋をするという段になったとき
 
クロさんの娘が「ちょっと待って」と両手で蓋を押しとどめた。
 
よほどかわいがられてたんだなと、その25,6ぐらいになりそうな娘を眺めてたが・・・
 
 
 
10分ぐらいして、「もうそろそろ」と葬祭場の人が再度 蓋をしようとしても「ダメ!」と
 
押しとどめて、クロさんの顔をじっと見つめている。
 
周りを囲んでる人もどうしていいかわからず、そんなやりとりを繰り返して30分ぐらい、
 
やっと、お母さんや親戚の説得でヨコに下がり、クロさんも少しワガママに育てたようだけど
 
こんだけ想われてシアワセやないかと蓋をするのを見ていたら
 
 
 
 
ヨコに立ってたボート屋が突然小声で「♪ ヘ~ビ ヘビヘビ ヘ~ビ」って歌いだしやがって
 
しょうがないんでオレも唱和して送り出した。
 
 
 
群馬のコースの西4番打ち下ろしのショートホール脇には、クロさんのホールインワン記念の木がある。
 
日付と名前を書いた看板もあったのだか、このまえ行ったときにはなくなっていた。
 
外資に経営が変わって、とりはずされたのだろうか。
 
あのホールインワン、同じ組で廻っていてしっかり見届けた。
 
トップして50ヤードも手前からコロコロ転がって入ったのは、
 
あまりおおきな声で言ってくれるなと言われてたけど、もう20年近く経ってるからいいだろ。
 
 
 
今度の日曜はクラチャン予選。
 
ずっとそっちでヘビ持っててくれるよう、頼むよクロちゃん。
 
 
 
\?\᡼\? 1
← ジューンベリーの名の通り色づいてきた。